第1章「私の事象」その5


食事を終えて、変な汗が背中に感じたのですぐに風呂に入ることにした。


胸元や太ももを見ても、日焼け跡は見られない。


普通なら茶色と肌色の境界線があるはずなのに。


身長は中学ごろから伸びなくなってしまった。


ろくに運動なんてしたことがないのに、汗をかくことはしっかりできる。


不思議なものだと思う。


人は運動ができなくても生きていけるのに、学校じゃ勉強と同じくらい大切なものとして教えられる。


結局、ないものねだりをしているだけなんだ。


シャワーが汗や垢を洗い落としてくれる、私のこの卑屈な考えも汗や垢と一緒に洗い流せたらいいのに。


二十二時頃から友だちとLINEの約束をしていたが、眠気がいつもよりもすさまじかったのでさっさと寝ることにした。


約束を破ることにも慣れてきたかなぁ、中学の時は熱が出たとしても友だちと通話してたのに。


他人に振り回されなくなったのか、それとも自己中心的になってしまったのか。


一体いつから私はこんなにも私が嫌いになったのかな。


部屋の電気を消して、ベットにダイブした。


天井を見ながら、今日の嫌なこと、一つ、二つ…、忘れていこうと思って目をつむった。


どうか神様、私の心を熱くしてください。


苦しくてもいい、焦がれるような思いをせて、心を震わせたい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る