第14話 隠し事

 4月14日水曜日


 何時も通り吉川さんとグレイと共に日課をこなし、気付いたら学校の自分の席で寝ていた…。何時に着いたか、全然解らん笑


 直ぐに朝の朝礼が始まり、先生から1限の授業の変更を知らされる。実施場所は教室で用意する持ち物無し。不穏な空気が流れる。


「何の話しだろうねー」


「ねー、何処まで先生が把握してるのか気になる」


「美優さん、昨日の部活どうだった?」


「楽しかったよ!」


「俺以外の部員がみんな、仲が良くなっているということか…部活に出づらい笑」


 今日の部活での俺の過ごし方が今後を左右されると思う。美優は軽く、頭を振る。


「全然大丈夫だよー!慶が居ないとただの女子会笑」


「何それ?楽しそうだね!オレも入れてよ!」


「松崎……。」


 突然、奴が出現した!消えろよ、お呼びじゃねーんだよ。ふと呆れ声が耳に届く。


「取り巻きはどうしたの?最後まで面倒見なよ。『責任はオレが取る』って言ってたじゃん。その言葉を信じた子達が可哀想だよ。」


「みんなに振られちゃった。」


「許して貰えるまでボッチでいろ。」


 あの優しかった美優様がとても冷たい。俺もあんな風に扱われない様にしよう!美優が寄り掛かり、視線が合うと頬を紅く染めた。


「2人共近すぎ。」


「まだ居たのか、さっさと消えろ馬鹿」


 チャイムが鳴り、授業が始まった。先生が一言。


「昨日、松崎くんが何者かにボコられました。」


「「「よっしゃー!ざまーみやがれ!」」」


 クラスの男達が喜びの声を上げる。先生は額に手を当てて、ため息をついた。


「容疑者が多過ぎるわねー」


「先生ー、クラスの外にもウヨウヨいます!」


「後で個別に絞る必要がありそうね?

昨日、被害者の事情聴取を行ったわ。身に覚えが無いそうよ?そして今日、密告者が現れてクラスラインに卑猥な画像が被害者から送信されていた事がわかった。画像は何も残っていなかった…………何があったの?今、教えてくれれば関係者以外に対する尋問を免除します!」


 これは逃がれられないか…言い訳でも考えて置こう。クラス中がザワザワし始める。


「先生!松崎くんが女子の卑猥な画像を送信してました!」


 月島さんの一言でクラスの空気がガラッと変わった。やがてクラス中がこの一言に乗っかる。これで松崎のスマホから女子の卑猥な画像が出てくれば、俺は容疑者から外れる。先生はツカツカとハイヒールの音を響かせながら、松崎の前に立つ。ここに居ても分かる!なんつう殺気だ‼︎


「スマホを出せ。」


「……。」


 松崎は先生にスマホを差し出して直ぐに腕を掴まれて、ロックを解除される。中身を確認してから自分の携帯にデータを移し始める。松崎は抵抗するが先生はひらりと避けて、教室から出て行った。5分後に校内放送が流れ、俺たちの学年の教師が招集される。更に10分後、松崎は呼び出された。会議室に。


 松崎は今後どうなるのか、スマホから何が出て来たのか。俺は処分対象になるのかは、松崎に対する尋問次第だ。



 


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