第2話 自分で切り開く

何もないところから自分だけの力でのし上がった人のエピソードがとても魅力的だった、親もいない孤児が成功して今はたくさんの人に夢や希望を与えている人がマスメディアに取り上げられている。その話はきっと世の中でも稀なケースであるから話としては盛り上がるのだろう ほとんどの場合は「それなり」の人生になるのだ。

現実はそんなに甘くない。僕は高校生になり大学もほぼ決まっていた。

成績優秀・スポーツ万能、家はお金持ち・・・何も不満はないのだ


大学は都心の大きいところに進むことになった。成績優秀な僕は当然のようにトップで入学した・・・自分の能力がどんどん上がっていくのを感じた。


大学に通うため親とは離れて都心で一人暮らしをすることになった

経済的な負担はまったくないのでとても大学生が一人暮らしするとは思えないような高級なマンションに僕は一人で暮らしていた。


大学の仲間にも何人か同じような境遇の人はいた。一方でいわゆる貧乏学生もいた、勉強の合間をぬって学費や生活費のためアルバイトをして風呂無し共同トイレのボロボロのアパートに暮らす友人はなんとも精神的にハングリーで人としての器も大きく見えたりもした。彼は将来は起業して自分の夢を実現させるんだと目をキラキラと輝かして話していた。圧倒的なパワーと強い意志に僕は彼の努力は報われると信じて疑わなかったが 彼の夢はものの見事に散った・・・地元の父親が亡くなって母が一人になり彼は母の面倒を見ることになり里帰りを余儀なくされることになる


現実とは自分の能力だけではうまくいかないのだ。


僕にはすでに将来決まった仕事のポストが用意されていた

親の力でそれは決定的に思えたが、

自分の一度しかない人生を自分の力で生きてみたい


僕は大学在学中に 親の敷いたレールから外れて一人で生きる事を決めた。

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