俺が三年前にたまたま助けた美少女が、高校の後輩になって、家事全般、勉強、運動すべて非の打ち所がないのだが、ただ一点俺への愛情表現が異常すぎる件について。
第15話 そうだ京都に行こう!?の件について①
京都旅行編
第15話 そうだ京都に行こう!?の件について①
ドタバタとした一学期(主に
夏休みと言えば何を思い浮かべるか。海、プール、山、お盆などなど人によって様々だと思う。俺の今までの過ごし方は、さっさと課題を終わらせて一人のんびりと時間を過ごしていた。
友達と遊びに行かないのか? とか思ったかもしれないが、俺には友達が・・・・・・少しはいるにはいるが、
別に俺は寂しかったわけではない。いや、これが本当に。強がりとかじゃなくて。
多少暇だなぁ、くらいは思ったことはあるがそれをなんとかしたいとか、誰かと遊びたいなと思ったことはなかった。
この気持ちはあまり理解できないかもしれない。俺としても理解してほしいとは思っていない。ただ同情するのはやめてくれ。
俺は友達がいないんじゃなくて、友達を作らないんだ。どうしてかは知ってるだろ?
一応説明しておくと(誰に?)俺の両親は二人とも超のつくほどの有名人だ。
俺の父親の
さらに顔もかっこいいというオプション付きだ。まったく、こんな人間がこの世にいるのかと思うと驚くと言うよりも
一方の母親はと言うと、名前を嘉神
しかもこれまた超のつくほどの美人と来た。『類は友を呼ぶ』ということわざがしっかりと合っているような夫婦だと俺は思っている。
それでその二人の息子が俺だ。(と言っても少々ややこしい息子だが)自分の周りに有名人の息子がいたら普通の人ならどうする?
そっとしておくという人もいるだろうが俺の周りはもっと活発的な子供や大人が多かったようだ。初めのうちは友達が多いな程度のかわいいことを思っていた。だが、徐々に周りの人間の下心が
そうしたら俺は気づくと他人を避けるようになっていた。逃げたと言われても
あのまま人間の汚い部分に触れ続けるよりかは、俺は気の置けない仲間を少人数(過ぎるかもしれないが)作って、
ここまでいろんなことを話したが、とにかく俺が言いたいのは俺は他の人とわいわい騒いだり、する必要はないと思っているのだ。
だからこの目の前の状況はどう考えてもおかしい。
「ちょっと、ヒー! 私の唐揚げ盗ったでしょ!」
「えー、そんなことないですよ」
「アユミン、電車の中でうるさくしちゃだめだよ」
「でもエミリーさん」
「はは、あーちゃんは相変わらずだね」
「もータツさんまで」
「ふふふ」
「あっ、リンさんも! もう知らない!」
「あー、ごめんね。でも面白くて」
「
「それどういうことですか!?」
いや、全員うっせぇよ。小学生の遠足か? それとも中学生の修学旅行か? 何にせよ少しは黙れ。もう少し年相応の行動をしてくれ。
俺たちは今、新幹線の中で駅弁を食べている。どこに向かっているのかと言うと京都である。俺、妃菜、アユ、辰弥、エミリー、
男女比が絶対におかしいが、そこはまぁ仕方がないとして、やっぱり誰か保護者を連れてくるべきだった。こんな無法地帯を取り締まる役を誰がするんだ?
「あれ? 先輩お弁当が進んでないですよ」
妃菜が俺の様子に気づいたように言ってきた。まずい、狙われた。
「しょうがないですね。あーんがいいですか? それとも口移しがいいですか?」
「どっちもやめろ」
「口移しですね!」
「そう言うと思った・・・・・・」
そうすると妃菜は本当に自分の弁当の卵焼きを口に入れて俺に近づいてきた。(俺は窓側、右横に妃菜、その横にアユ、俺の前に辰弥、その横に鈴花、エミリーの順)
「ちょとお兄ちゃん! 何してるの!」
「そ、そ、そうだよ
なぜか俺に集中砲火が浴びせられる。おいおい、アユも鈴花も俺の返事を聞いていたか? 俺は「やめろ」と言ったが、こいつが勝手に暴走したんだぞ。俺がとやかく言われる筋合いはないと思うんだが。
どうしてこんなことになったんだ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます