俺が三年前にたまたま助けた美少女が、高校の後輩になって、家事全般、勉強、運動すべて非の打ち所がないのだが、ただ一点俺への愛情表現が異常すぎる件について。
第7話 妃菜と日曜デート!? では決してない件について③
第7話 妃菜と日曜デート!? では決してない件について③
俺たちは家を出て、モール行きのバスに乗るために、バス停に向かって歩いていた。
「ふん、ふっふ、ふん、ふっふん」
「楽しそうだな」
横で鼻歌を歌いながらスキップをしている
「だって、先輩とデートできるんですよ。楽しくないわけないじゃないですか!」
「だからデート・・・・・・もうこれはいいや」
俺としてはデートと認めたくないが(端から見たらデートだろう)それを今話題にすると、またさっきみたいなことになることは、火を見るよりも明らかなので不本意ながらデートにした。
「にしても、
これは俺の本心だ。
妃菜は控えめに言って色欲(性欲)の塊だ。それは今まででの間に散々経験させられた。その頭にねじがぶっ飛んだやつが普通の恋人(俺たちは違う)がやるようなデートごとき? で喜ぶとは思っていなかった。
「どうしてですか? 私は
手の指を折りながら、考えながら妃菜が言った。
俺としては驚きだ。あの妃菜でも普通のことに対して喜びを感じるんだな。普通じゃないこともちらっと聞こえたような気がするが気にしない方がいい。
「だから、私は毎日幸せなんですよ。先輩が私の作った料理を『美味しい』って言っていってくれて、『いつもありがとう』って言ってくれて、新しく掃除したところとかがあれば『今日はそこもやったんだ。すごいな』って気づいてくれて私は本当に幸せなんですよ。この世の誰よりも自分が幸せ者だて言えるくらい幸せなんですよ」
妃菜の飾り気のない、純粋無垢な笑顔が俺に向けられる。その笑顔が輝いて見えることは言うまでもないだろう。
何か照れるな。俺は妃菜に向けていた顔を真っ正面に向けた。照れ隠しだということは俺にもわかっていたが、それでも顔を背けずにはいられなかった。
いつもなら、はいはい、という感じで受け流すこともできるが、こんな似まっすぐに言われると心の中がくすぐったくなるのをおさえられない。
「今のポイント高くないですか!?」
「・・・・・・そうだな」
ポイント高いと思うぞ、それを自分で言わなければな。
それが妃菜らしいと言えば、妃菜らしいか、と思いながら俺たちはバス停に着いた。一応言っておくが、妃菜に対してドキドキはしていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます