第1の希望 天才科学少女と天才魔法少女

第1話ー1 南への旅立ち。

 やあ皆、前回の『ザック&カルマ』は、あら大変。

 カルマちゃんの故郷に巨大隕石が落っこちて滅びちゃった。はわわわわ~~。

 しかしカルマちゃんは次元脱出ポッドで1人助かった。――のはいいんだけど、そこは巨大な魔物が生息する中世ファンタジー世界。

 最初は言葉も通じない中サバイバルを行うも1人じゃ大変だったカルマちゃんはクールでナイスガイな頼れる俺様、ザックカリバー、通称ザックを創り出した。

 俺様を手にしたカルマちゃんは現地住民とのコミュニケーションを取れるようになり、魔物をバッタバッタと倒す冒険者になったのだ。

 それも俺様が高性能な喋れる武器だからな。

 そして武器作りの腕を活かしてお金を稼いだカルマちゃん。

 そこに忍び寄る黒い影。

 そいつのせいでカルマちゃん大ピンチ。

 左腕が壊れちゃってさぁ大変。

 仕方ないので左手をなおすために13の希望の一つを手にするために南にある魔法大国に向かうのであった。


「ねぇ、ザック。なんで前回のあらすじ風なの」

「さぁなんででしょうね~~」

「しかも結構はしょったり捻じ曲げられたりしてるよね。私の腕が壊れたのはロッキーさんのせいじゃないでしょ」

「ロッキー、奴はいいやつだったぜ。カルマちゃんをかばって死ぬなんて、――惜しいやつをを亡くしたぜ」

「死んでない。死んでないからね。閑話でちゃんと生きてたでしょ」

「その後美人受付嬢のライムさんにプロポーズをするもあえなく爆死」

「大丈夫だから。アレだって13回目だったんだから」

「俺様が壊れている間に12回も爆死してやがったのかアイツ」

 すげーな、俺様が壊れていたのは1ヵ月弱だから、少なくとも週2のペースで爆死してたのか。


 まぁ話を戻そう。

 なぜこんな会話になっているかだが、――答えは迷っているからだ。

 別に作者が方向性に迷ってるっていうメタな話じゃない。

 簡単な話だ。

 カルマちゃんが道に迷てるだけの話です。

「それで何でさっきの話になるかな」

「なんでもいいから話をしてって言ったのはカルマちゃんじゃないか」

「それで何で前回のあらすじになるの」

「開始早々に次回予告始めるほうが変だろ」

「むしろ斬新でありじゃないかな。次回予告で始まって、次回こうなるのなら今回どうなるのって期待持たせるとか」

「前回の次回予告でやってってください」

 と俺様達が森の中で言い合っていると。

「きゃあああああああああああああああああ!」

「ハッ、メタな会話をしていたら物語を動かすような絹を裂くような女性の悲鳴。これは助けに行かなければなりません。行きますよスケさんカクさん」

「もしかしてそれ俺様が一人二役やるの」

 俺様の叫び位は無視して、女性の叫び声が聞こえた方に全力ダッシュするカルマちゃんだった。


 駆けつけてみれば、分かりやすいほどに分かりやすい展開が起きていた。

 1人の女性を追いかけて粗野な服を着た男たちが下卑た笑いを浮かべながら追いかけているのだ。

 放置したらどうなるだろうか。

 まぁ、女性は逃げきれずに男たちに捕まって、地面に組み伏せられては服を乱暴に引き裂かれるように奪われるだろう。

 そして女性は服と同じ様にズタボロになるまで男たちに乱暴されてしまうのが目に見えている。

 それを、そんなことを我が主カルマちゃんが許すはずもない。


「とぉう」

 そう叫んでカルマちゃんは女性と男たちの間に飛び出した。

「なんだ」

「何もんだ」

 男たちの数は3人。

 男が3人がかりで女性を追い掛け回すなど言語道断許しはしない。

「って何だガキじゃねーか」

「いやいや、毛色はいいじゃねーか高く売れるって」

「その前に俺らが楽しめるかだって、ぎゃはははははははは」

 そんな下卑た男たちにカルマちゃんはやや俯きながら謡う。

「天に冥府、地に魔道。踏まえし道は修羅の道」

「あ?」

「なんだって」

「あっ、お天道様が見てなくてもお前らのような悪漢、私が見過ごさぬ。お前たちタダで帰れると思うなよ」

 恰好を付けて見得を切るカルマちゃんに男たちはやはり下卑た笑いで返してくる。

「ぎゃはははははは。何言ってんだコイツ」

「格好つけてるつもりか」

「おいおい、こいつに付き合ってねーでサッサと片付けねーと女が1人で逃げちまうぜ」

 男たちの言う通り、追われていた女性は助けに来たのが身長140㎝くらいの女の子と見るや、1人でサッサと逃げ出していた。

 まぁ、ぱっと見では期待できないもんな。とはいえこんな下卑た野盗の三人くらいカルマちゃんなら素手で――


 ブォーン、ズダァァァァン!


 いいハズなのに、カルマちゃんは胸に下がっていたペンダントの俺様を握り、ハルバートに変化させて地面に振り下ろした。

 その衝撃に、男達も逃げようとしてた女も目を丸くして驚いていた。

「もう一度言うぞ。お前たち全員タダで帰れると思わないことね」

 そこからはカルマちゃんによる野盗の3人の撲殺シーンに入りました。


 いやみねうちでも死ぬからね普通。

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