とんだアオハル
毒入 団子
第1話 今日も今日とて
朝起きると、そこには裸にエプロンをした1人の女性が立っていた。
年齢は40に近い。
昨日この女性と居酒屋で飲んでて、そのままホテルに…?
予め言っておくと、僕は年上、世間から熟女と呼ばれる年齢よりも若いくらいの女性が好きなのだ。
そして僕はその女性に一言かける、
「おはよう。」と。
すると、その女性も僕に向かって、
「おはよ。昨晩はどう…」
バシンッッ!!
なんとその女性はいきなり頭を叩いてきた。
どんな展開だよ…、と頭はパニック状態である。
僕は脳をフル回転させると同時に眠い目を擦る。
すると、目の前に居たのは僕の「母」
だった。
驚きを隠せなかった。
というか『俺は自分の母親相手にあんな妄想膨らませてたのか…!?』と思った。
いくら何でも気色悪すぎるだろ!!
幸い僕の母はブサイクと呼べるほどブサイクでもなかった。
ならいいや、とはならないが。
にしても、状況がまだ把握出来ていない。
母がいることからここは家であるのは間違いないだろう。
後は時間。今は何時なのか。僕は枕元のスマホで時間を確認する。
するとそこには「20時14分」と記されていた。
20時!?感覚的には朝だぞ!?
いや、これはあれか!これは夕方に寝て起きた時のあの不思議な感覚と同じだ!
そうだ、今思い出した。
僕は学校から帰ってきて、すぐにベッドに入って寝てしまったのだ。
今やっと状況が理解出来た。
そして目の前の女性、母は僕に言う、
「あんた何か変なこと考えてたでしょ」
鋭い。何でもお見通しである。こんな時の僕は素直に全てを伝える。
「夢にお母さんに似た女性が出てきて楽しませてもらったよ」
「気持ち悪っ」
気持ち悪いのはお互い様である。僕も母となんてやりたくなかった。
『でもまぁこれが思春期ってやつなのか』と僕は思った。
しょうがない。これに尽きる。もうこれ以上考えるのはやめよう。
気持ちを切り替えて晩御飯を聞いてみる。
「今日のご飯は何?」
「今日はお父さんのアキレス腱よ」
おっと、これは予想外の応えである。
とんでもないボケをぶち込んできた。
友達とならこの流れにのって話を進めていたかもしれないが、今は寝起きということもあってもう変な絡みはやめたい。
「へぇー」これで済ます。
すると、母は「つまんなっ」と小さな声を残して去っていった。
母はこういったことでたまにムスッとするが普段は仲の良い親子だ。
こんな日常が僕は楽しい。
学校でもそうだ。
くだらない下ネタ言って、笑って、幸せを感じられるなんて最高だろう。
こんな平和な日々がずっと続いて欲しいと思う。
とんだアオハル 毒入 団子 @doku_ily
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