第149話 水着回➁
伊緒奈達がやって来たけど、みんなカラフルな水着を着て……ん?
な、なんと服部さんだけスクール水着じゃないか!?
「い、伊緒奈さん……私だけスクール水着というのはどういう事ですか? 学園の水泳授業では何とも思いませんが、ここでは凄く恥ずかしいのですが……」
「華ちゃん、大丈夫よ。ここだから逆に良いのよ。絶対に需要があるから」
「そうよ、華子!! 私も伊緒奈ちゃんの考えに賛成よ。現にほら見てみて!? 監視員の颯君が食い入るように華子を見ているわ!!」
「えっ、そうなの、知由?」チラッ
うわっ、服部さんと目が合ってしまった!!
ヤバイ、俺がスクール水着姿の服部さんを食い入るように見ていたのがバレたのでは!?
「ウフッ……」
え? 服部さんが微笑んだ? どういう事だ?
「伊緒奈さん、私……スクール水着で良かったみたいです」
「フフフ……そう言ってもらえて良かったわ。それに華ちゃんは『コスプレイヤー』でもあるのだから、今日は『スクール水着女子』のコスプレをしていると思えば楽しいんじゃないかな?」
「はい、そうですね。そうさせて頂きます……」
「しかし、伊緒奈さん? 何で今日の私達の水着は伊緒奈さんが全部決められたのですか?」
「あら、太鳳ちゃんはその水着、嫌だったかしら?」
「いえ、そんな事は無いのですが……でも私のキャラで考えると少し大胆じゃないですか?」
「そんな事は無いと思うわよ。それに太鳳ちゃんの体型って本当は凄く色っぽいのに普段はボーイッシュな服装ばかりで女性らしさが少ないから今日くらいは太鳳ちゃんの色気のある肉体をさらけ出した方が良いかなぁと思って……」
「えーっ!? わ、わ、私の体型って色っぽいですか!? 自分では全然、分かりませんけど……」
しかし、伊緒奈のグループの女子達の水着ってバランスが取れているし、とても華やかだよなぁ……
伊緒奈は胸元が大きく空いたピンク系のワンピース水着で学園の五本の指に入る巨乳の持ち主だけの事はある強調された水着だ。
え? 誰が学園の五本の指に入るって決めたかだって?
それは俺に決まっているだろう……
それと酒井さんはメンバーの中で一番、大人の雰囲気があるから黒のビキニが良く似合っているよな。それに好き嫌いはあるかもしれないがメガネをしているところが俺は好きだなぁ……
あと、榊原さんは石田さんと同じヒラヒラの付いたビキニだけど、身長が低い分、更にキュートに見えるよなぁ……それでいて、胸は大きい方だからそのギャップが更に良い。
そして同じく小柄な太鳳の水着は薄紫色のワンピースだけど、結構なハイレグで胸元も広くてかなり色っぽいぞ!!
っていうか、太鳳ってめちゃくちゃスタイルが良かったんだな?
「颯さーん!? あまりジーッと見ないでくださいよぉ? 私、恥ずかしいですから~!!」
「べ、べ、別にそんなに太鳳の事をジーッとは見ていないぞ。気にし過ぎだよ!!」
「えーっ、何で見ていないんですかぁ!?」
どっちが正解なんだよ!?
「竹中君、私のスクール水着はどうかしら?」
「えっ? い、いや、そのぉ……俺は水泳の授業を選択していないから学園の水着を見たのも今日が初めてで……だから、とても新鮮というか……それに服部さんはスクール水着が良く似合っているよね? 驚いたよ……」
(ポッ)「あ、ありがとう……これからは伊緒奈さんの次に竹中君を陰から守る事を約束するわ。あなたの学園生活を邪魔する人は分からない様に消していくから……」
「ぶ、物騒な事を言わないでくれ!! 消すって何だよ!?」
マジで服部さんはやりそうだから恐ろしいぞ。
「ハハハ、華子がこんなにもテンション高いって珍しいわねぇ? さすが竹中君だねぇ?」
「酒井さん、俺の何がさすがなのか全然分からないけど……でも酒井さんのその水着も大人っぽくていいよね? 元々、酒井さんは伊緒奈グループの中で一番大人っぽい人だから、その黒のビキニがとても似合っているよ」
「あら? 私にもそんな嬉しい事を言ってくれるのねぇ? 私まで今までに無い感情が芽生えて来そうになっちゃうじゃない? 私は伊緒奈ちゃん一筋なのにさぁ……ほんと竹中君って『人たらし』の『女たらし』だよねぇ? ウフフフ……」
「お、俺が『人たらし』『女たらし』な訳、無いじゃないか!?」
「フフフ……そんなに怒らなくてもいいのよ。私は褒めているんだからさぁ……」
どこが褒めているんだ?
「あ、あのぉぉ……竹中君、もし良ければ私の水着の感想も言ってくれないかなぁ?」
「え? ああ、榊原さんの水着もとても可愛くて良く似合っているよ。特にそのヒラヒラが可愛らしいよね? 日頃は控えめな感じの榊原さんだけど、今日はとても華やかな感じで榊原さんの違う一面が見れたようで凄くいいと思うよ」
(ポッ)「あ、ありがとう……竹……颯君……」
え? 今俺の下の名前を……
「ああ、八雲!? あなた今、竹中君の事を颯って呼んだわね?」
「よ、呼んだけど何かしら? 何か文句でもあるの?」
「べ、別に文句は無いけど……思わず八雲を消したくなったわ……」
オイオイオイッ、服部さん、下の名前呼びをしただけで消されちゃぁ、伊緒奈達はどうなるんだよ!?
二人がこんな事で揉めさせない為にも……
「は、服部さんも良ければ俺の事は颯って呼んでくれていいから……その代わりといっては何だけど俺も服部さんの事は華子、榊原さんの事は八雲って呼んでもいいかな?」
「 「勿論よ!!」 」
「ちょっと待ってよぉ? それじゃぁ仕方ないから私の事も知由って呼んでいい許可を与えてあげるわ」
「酒井さん、嫌ならそんな無理をしなくてもいいから……」
「い、嫌じゃないわよ!! いいいから、颯君、私の事も知由って呼びなさい!! これは命令よ!!」
「は、はい分かりました……知由……」
何なんだこれは??
「クスッ……」
「伊緒奈さん、笑っている場合じゃないですよ? 何だかうちのグループの女子達が颯さんに対しての接し方が変わってきていませんか? 羽柴副会長達だけでも面倒なのに身内にまで面倒な人達がいたら伊緒奈さん、気が気じゃ無いのでは?」
「フフフ、私の親友達が颯君の事を好きになるのは良いことじゃない? 嫌っているよりはずっと良いわ。だから私は別に気にしないけど。まぁ、太鳳ちゃんも颯君の事が大好きだからライバルが増えるのは困るんでしょうけど……ウフフフ」
「えっ!? わ、私は……その……あのぉ……ブツブツブツ……」
「でも私も今日くらいは積極的にいっちゃおうかなぁ……フフフ……」
「えっ? 伊緒奈さん、今何て言われました?」
「あっ? みんな水着に着替えるのが早いわね? 私達、結構出遅れたみたいよ」
「ケイト先輩、その言い方はおかしいですよ!! 私達は着替えるのは早かったけど、ケイト先輩が何枚も水着を持って来て選ぶのに時間がかかったからじゃないですか!!」
「え? そうだったかしら??」
遂に上杉グループの登場だな……
ってか、この水着回はいつまでやるんだよ!?
まぁ、『ラスボス』が登場するまで続くんだろうけども……
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