第148話 水着回➀

「さぁ、遂にこの時間が来たぞーっ!!」

「そ、そうだな!? 待ちに待った時間がやって来たーっ!!」

「お、俺……なんか、ドキドキしてきたぞ!!」


 三バカ、いや、三人共めちゃくちゃ興奮しているな!?


 それとは対照的に羽柴陽呂さんは凄く落ち着いているけど、心の中はどうなんだろうか?


「ハハハ、君達、さっきまでの勉強会とはテンションが全然違うねぇ?」


「当たり前じゃないか、陽呂君!! 俺は陽菜ちゃんの水着姿を間近で見るのは小学生以来だし……ん? そう言えば前に颯と陽菜ちゃんのデートで水着を試着している姿を……いや、その時は遠目だったしな……鼻血出して倒れたなんて恥ずかしくて言えないし……ブツブツブツ……」


 俊哉の奴、何をブツブツ言っているんだ?


「しかし、監視員役の颯さんってとても良い位置から女子達の水着姿を眺める事ができて良いですねぇ?」


「はぁああ!? 直人、な、何を言っているんだ!? お、俺はそんなつもりは全然無いぞ!!」


「井伊直人の言う通りですねぇ……竹中師匠の位置でしたら上の方から、胸の谷間が見たい放題じゃないですか!? たまに俺と変わっていただけませんかぁ? ちなみに姉貴やカノンちゃんも結構、胸はデカいので楽しみにしていてくださいね!?」


「上杉カイト、見たい放題って何だよ!? それにいちいち、そんな情報はいらねぇよ!!」


 とは言うものの……


 ケイトさんや直江さんも胸が大きいのかぁ……ふーん……


 って、別に俺は巨乳好きじゃないけどな!!


「は、颯!! お前が監視員という立場で女子達の水着姿をジロジロ見るのはいいけど、くれぐれも陽菜ちゃんだけは舐め回すような感じで見るんじゃないぞ!?」


「だ、誰が!!」


 しかし、俊哉は陽菜さんの事になると人が変わった様になるよな?

 まぁ、仕方がないんだけども……


 俺としてはこの合同合宿で俊哉と陽菜さんの仲が少しでも縮まって欲しいとは思っているんだが……なかなかそういった場面が無いんだよなぁ……



「ちーっす!! お待たせだっつーの!!」(ボインッ)

「男子の皆さん、お待たせしました……」(パインッ)

「竹中せんぱーい、お待たでーすーっ!!」(プリンッ)


「 「 「おーーーっ!!!」 」 」


 三人が登場した時の効果音が胸の大きさや形を分かりやすく表しているよな!!


 長曾我部さんは制服を着ている時、ネクタイをせずにシャツの第一、第二ボタンも外しているので胸の谷間がよく見えていたし、私服も胸が強調されている感じだったから胸が大きいのは分かっていたけど、ビキニ姿だと更に倍くらい大きく見えるよな!!


 それと島津さんも胸は大きいんだろうなとは思っていたけど……


スカートタイプのワンピースの水着を着ていて少し控えめな感じだけど、やはり胸が大きいのはよく分かるよなぁ……胸が前に突き出ている感じだ。


 ただ、長曾我部さんの様な『これでもか!?』っていう様な攻撃的な感じの胸では無くて上品というか形が綺麗というか……常日頃、姿勢が良いのが影響しているのかな?


 そして石田さんは中学三年生にしては大きい方なんだろうけど、同い年の詩音の方が大きいかもしれないな? でも詩音には絶対にそんな事は恐ろしくて言えないけどな。


 いずれにしても石田さんはプリンッとして前に突き出しているというよりは上に向いているって感じで若々しさがあるって感じだな。ビキニに付いているヒラヒラも可愛いしな。


 ってか、何故俺はさっきから心の中で三人の水着と胸の解説なんかをしているんだ!?


 冷静になった途端にめちゃくちゃ恥ずかしくなってきたぞ。



「颯っち、あーしの水着姿はどうだっつーの?」 


「えっ!? ああ、長曾我部さん……その水着とても似合っているよ」


「ハハハ、あざーっす!! 颯っちに褒めてもらえてすっごく嬉しいからさぁ、お礼に颯っちの顔に胸を当てながら抱きしめてやってもいいっつーの♡」


「いや、それは遠慮しとくよ……」


 窒息しかねないからな。


「 「 「えーっ!?」 」 」


 そこの三バカ、勿体ないって言う様な顔をするな!!


「恐らく今日はあーしと陽菜先輩との一騎打ちになると思うけどさぁ、後で颯っちに判定をしてもらうからよろしくなっつーの!!」


「えっ!?」


 な、何の一騎打ちで何を判定するんだ!?


 ってか、本当は分かっているけど……



「た、竹中君……私の水着姿はどうでしょうか? 気に入っていただけたでしょうか? それとも少し地味だったでしょうか……?」


「え? いや、島津さんの水着もとても似合っているよ。なんていうか、島津さんのスタイルの良さを更に引き立てている感じがして……ほんと、島津さんってセンスあるなぁって思うよ……」


「あ、あ、ありがとうございます。悩んで選んだ甲斐があります。それにしても竹中君は女子を褒めるのがお上手なんですね?」


「い、いや……俺は思った事を言っているだけで……」


「そうなんですね? でも本当は私だけを褒めて欲しいなぁって思ってしまうのはワガママ過ぎますよねぇ……ブツブツ……」モジモジ……


 ドキッ


 いつも凛としている島津さんがモジモジしながらこんなセリフを言うとギャップがあり過ぎて思わずドキッとしてしまうじゃないか。これはアカンアカン……



「竹中せんぱーい、その二人の事なんて放っておいて私の水着はどうですか~? 可愛いですか~?」


「石田さん、あなたって人は!?」

「美月っち、あーし達に失礼だっつーの!!」


「い、石田さんもとても似合っているよ。そのヒラヒラがとても可愛いしさ……」


「フフフ……そうでしょう? 本当はスクール水着を着る予定だったんですけど、もしかしたら竹中先輩はヒラヒラが付いたビキニが好きなんじゃないかと思って、午前の勉強会に参加するのを止めて、急きょショッピングモールに行って買ってきたんですよぉ!!」


「えーっ!?」


 何でそこまで……ってか、何で俺がヒラヒラ付きビキニが好きだと思ったんだ?


 まぁ、嫌いじゃないけどさ……ただ、スクール水着もアリだったというか……


 ってか、俺は何を考えているんだ!?


 真剣に監視員を務めなければいけないのに、女子達の水着姿を見て動揺し過ぎだよな。



「みんな、遅くなってゴメンねぇ」

「伊緒奈ちゃん、今日はプール日和だね~?」

「あれ、知由ちゃん、メガネをしたままプールに入るのぉ?」

「颯さん、監視員、ご苦労様です!!」

「い、伊緒奈さん……私みたいな影の者がプールで遊んでもいいのでしょうか?」


「あっ!?」


 伊緒奈グループの登場だぞ!!









―—————————————————————————————


お読みいただきありがとうございました。


遂にお待ちかね?の水着回開始です(笑)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る