第146話 男子四天王
「という事で先生も、この合宿に参加させてもらうからよろしくねぇ~?」
「 「 「えーーーっ!!??」 」 」
黒田先生が持っているバックつて結構、大き目だけど、さては最初から参加するつもりでいたんだな?
「お、お姉ちゃんが何で参加するのよ? 姉妹で教師でもある人がいたら合宿がやりづらいじゃない!? み、みんなもそう思わない!?」
マーサさんの気持ちはよく分かるけどなぁ……
仮にこの場に詩音がいたら俺も嫌だもんなぁ……
「伊緒奈さんはどう思われます? それに颯さんや前田君も? 私達の担任の先生も一緒に合宿って気を遣いませんか?」
太鳳は嫌そうだけど伊緒奈はどう思っているんだろう?
「そうねぇ……私は以前から黒田先生とゆっくりお話をしたいと思っていたから良い機会だなぁって思っているわ」
「えーっ、そうなんですかぁ!?」
へぇ、伊緒奈はそういう思いがあったのか?
どこか黒田先生を毛嫌いしている感じに見えていたから意外だよなぁ……
「徳川さん、ありがとね? 実は私も徳川さんと『ある事』でゆっくりとお話したかったのよぉ」
『ある事』? 何の話なんだろう?
「俺も黒田先生と一緒に合宿するのは問題ないよ。どちらかとい言えば楽しみというか……だって明日は……なっ、直人?」
「え? ああ、そうだな。明日の事を考えると俺達は賛成派だよな?」
ん? 明日?
ああ、そっか。
「た、竹中師匠!! 明日は何かあるのですか?」
「え? ってか、俺の事を竹中師匠って呼ばないでくれないか? めちゃくちゃ恥ずかしいから!!」
「でも姉貴に竹中師匠の弟子になれって言われていますし……俺はもう一番弟子になった気分でいますしね」
「勝手に一番弟子を名乗らないでくれないか?」
何なんだ、上杉カイトといい、石田さんといい、この変わりようは?
「上杉~? 明日はここのプールを借りる予定なんだよ。それはどういう事か男のお前なら分かるよなぁ?」
「え、そうなのか前田? あ、だから黒田先生の合宿参加は賛成派なんだな? なるほどな。俺もお前達の気持ちはよーく分かるから賛成派になるぞ!!」
「ハッハッハッハ!! さすがは上杉ケイトだ!! ということで俺と俊哉と上杉カイトと颯の『男子四天王』は黒田先生の合宿参加は大賛成ってことで!!」
直人、勝手に俺まで入れて『男子四天王』なんて言うんじゃねぇよ!!
「はぁ……分かったわよ。伊緒奈さんも構わないっておっしゃってるし、私がとやかく言える立場でも無いし……それに颯さんも賛成なら尚更、私は反対できないわ」
太鳳、俺はまだ何も言っていないからな!!
「フフフ……そっかぁ……明日はプールの予定なのねぇ? それは楽しみだわぁ。万が一のことを考えて水着を持って来て良かったわぁ」
万が一で水着を持って来るものなのか?
「 「 「おっ、さすがは黒田先生だぜっ!!」 」 」
お前等、ついさっきまでこの合宿は女子の方がはるかに多くて全然、目立っていなかったのに急に目立ちだしたな? これが男の
「ハハハ、やっぱり男子が元気な方が合宿は盛り上がるわねぇ? マーサには申し訳ないけど、私も黒田先生の合宿参加は賛成よぉ。私はこの合宿が盛り上がれば何だって良いのよぉ。だから上杉さん達の参加もオッケーにしたんだし……」
だよな。いまいち、陽菜さんの目的はよく分からないけど、反対しないとは思っていたからな。
「うう、陽菜がそう言うなら仕方ないけどさ……でもお姉ちゃん、くれぐれも私達の合宿を盛り下げる行動だけは絶対にしないでよ!?」
「マーサ? それはお姉ちゃんに失礼よ? 私は大人であり教師なのよ。そんな空気を読まない行動なんてするわけ無いじゃない。絶対にあなた達の邪魔はしないわ」
「その言葉、信じていいのね?」
「フフフ……当たり前よぉ。お姉ちゃんの事を信じてほしいなぁ……私は竹中君達『男子四天王』とだけ楽しむつもりだから全然、大丈夫よぉ」
「 「 「 「それが大丈夫じゃないのよ!!!!」 」 」 」
「うわっ、こんなに大勢の女子生徒に突っ込まれるなんて……生まれて初めての経験だわぁ……」
いや、俺もめちゃくちゃビックリしたぞ。
「く、黒田先生!!」
「何かしら? えっと、あなたは三年の上杉ケイトさんね?」
「颯君は合宿メンバーでは無いので、遊ぶなら『その他の男子』と遊んでいただけますか? それなら誰も文句はありませんので」
「姉貴、俺達の事を『その他の男子』っていう呼び方は失礼じゃないか!!」
「別に本当の事なんだから良いじゃない? 私達は颯君にしか興味無いんだし、あんたは弟だしさ。あっ、あんたはカノンともっと仲良くすれば良いんじゃない? あなた達お似合いよ!!」
「はぁああ!? カノンちゃんだって!?」
「ケ、ケイト先輩、急に何を言うんですか!? 何で私がカイトなんかとお似合いなんですか!? こんな顔だけの問題児を私に押し付けないでくださいよ!!」
「カノンちゃん!! だ、誰が顔だけの問題児だよ!?」
はぁ……黒田先生が参加する事になっただけでこんなにも騒がしくなるなんて、まだ今日を入れて三日もあるのかと思うとゾッとするよな。
「あのさぁ、そこの『その他の男子』達さぁ……」
「誰が『その他の男子』達だ!! っていうか、羽柴陽呂先輩?」
「君達、一年生男子だけで仲良くしないでさぁ、僕も仲間に入れてくれないかい? 僕も君達ともっと仲良くなりたいからさぁ……」
「 「 「あっ!?」 」 」
こいつ等、すっかり羽柴陽呂さんの存在を忘れていたな?
まぁ、俺もだけど……
「まぁ、僕は存在感が薄いから参加している事も忘れられているかもしれないけどさ……でも、僕も陽菜に無理矢理、合宿に参加する様に言われて来たんだけど、せっかく参加したからには楽しい思い出を作りたいしねぇ……」
「 「 「羽柴先輩……」 」 」
この後、俺は自ら入ったわけでもない『男子四天王』をクビになり、陽呂さんが新たに加入し、『新男子四天王』が発足されたのであった。
ってか、どうでもいいオチだよな!?
しかし……
明日のプールでは何か起こりそうで不安しかないぞ……
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