第57話 未来予知の日 前編
「雪子さん、そこの道はまっすぐ行ってください」
「? わかりました!」
今日は朝から仕事があったので小学校はお休みしている。
今は仕事の帰り道の車の中。
超能力の一つである未来予知は常に使っているので事故とかが起きる道は避けることが出来るのだ。
あのまま道を曲がっていたら逆走するミサイルみたいな車と正面衝突されるところだった。
ボク達が道を変えたことによって車ミサイルは他の車にぶつかる事無くヤクザの事務所に突っ込む未来が見えた。
ボクがやらせたわけでは無いから助けたりはしないよ?
車ミサイルの運転手、無免許&飲酒&スマホ見運転の極悪人だからねインガオーホーってやつだよ。
「こっちの道だとユキちゃんの好きな喫茶店がありますね。寄っていきますか?」
「ん~・・・今日は止めときます」
また未来予知が見えた。今度は事故じゃなくて”姫宮ユリ”の厄介ファンに絡まれる未来だった。
金髪日焼け肌のパリピみたいな青年にウザ絡みされて「俺も今度ドラマだしてよ!」とか「俺の武勇伝歌詞にしたらバズるぜ!」など、どこからその自信が湧いてくるのか・・・
ボクは関わりたくないので回避させてもらう。
小学一年生にウザ絡みしてくる大人にはなりたくないね。
「ユリちゃん、この先少し渋滞してるんだけど迂回しちゃって良い?」
「え~と・・・混んでる方で」
「わかったわ!」
また未来予知・・・今日はどうなってるんだろう?
あれかな、朝見た今日の星座占いで最下位だったからかな?
占いには手を出してないんだよね。やり直し前に当たった試しが無いから。
ちなみに今度は車のタイヤがパンクして帰るのが遅くなる。だった。
だんだんショボくなってはいるけど。
この調子じゃあ、まだ来そうだね・・・
「おっと!」
「どうしました?」
今度はボクが対処しないとヤバイやつだ!!
日本海側の海上を運行中のタンカーが何故か爆発して、積んでいた劇毒を日本海に垂れ流す未来が見えた。
そこから日本海を囲む国々に深刻な被害が出て大変な事になっていた。
いまいち使いどころの無かった時間魔法を使って世界の進む時間を止める。
物理的に止めているわけでは無く、魔法(魔力による法則)で止めているので、光が止まるから見えないだとか、止めた世界で動くと周りがめちゃくちゃになるとかにはならない。魔法は理不尽な力なのだ。
これでボクが対処して戻って来てから時間を動かせば、何事もなかった事に出来る。
日本海沖に一隻のタンカーが浮かんでいる。
大型のコンテナを沢山乗せた輸送船だ。
この船が爆発するのは未来予知で見た事なので、今はまだ爆発していない。
時間を魔法で止めているので、タンカーも波も乗組員も止まったままだ。
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