第54話 運動会 後半

 運動会にはお母さんとお爺ちゃんとお祖母ちゃんが見に来ていた。

なのでお昼は家族でお弁当を広げて食べた。

何故かメイドさんや執事っぽい人たちが給仕をしてくれたけど、お母さんも気にしてなかったからボクも気にしないようにした。


 午後一番の競技は二人三脚だった。

ボクと雅ちゃんの出番だね。


「がんばりましょうね~ユリヒメちゃん~!」


「うん、練習したもんね!」


 雅ちゃんの家のカートレースが出来る廊下を使って二人で練習していたのだ。

と言っても、ボクが雅ちゃんに合わせればミスすることなく二人三脚できるので、練習はそこそこに遊んでいた時間の方が多かった。


 ほぼ雅ちゃんの普通に走る速度と同等に走れたボク達は他の一年のクラスに圧勝した。


 次は借り物競争。これには学くんが出ることになった。

学くんは借り物の書かれた紙を見て、すぐにこっちの方に走ってきた。


「トウジ!来てください!」


「おう!わかったぜ!」


 二人は一緒にゴールまで走り、ゴールにいた先生に紙を見せていた。

その先生は確認すると腕を上に上げて丸を作った。


 戻ってきた二人にどんなお題だったのか聞くと「親友だってよ!」と球児が教えてくれた。学くんは恥ずかしそうにそっぽを向いていた。なんだ、仲良しじゃん!


 最後の競技の前にボクはチアガールになってSクラスの応援をしなくちゃならない。


 校舎に白い大きな布が垂らされそこがスクリーンになっていた。

昼間だからあんまり見えないけど、今までの競技も映されていた。

チアガールの応援も映されるそうだ。


 1年から6年までの各クラスの女子がチアガールになって応援をする。

Sクラスの1年代表がボクというわけ。


 ボクが一番小さいからか、朝礼台に一人上がらされて事前に練習してた振付で歌って踊る。

【がんばれSクラス】【Sクラスならやれるよ】【Sクラス優勝】という言葉がふんだんに入っている歌詞を歌ってポンポンをフリフリして踊った。


 チアガールの衣装はかなりミニなスカートだったけど、見せる用のパンツみたいなのを重ね着してるので恥ずかしくない・・・と上級生の女子達に言われた。本当に?

まぁボクはまだ幼女なのでパンツくらい見られても恥ずかしくはないけど、お胸が膨らんできてる高学年のおねえさん達はエッチな感じするよ?


 最後の競技はクラス対抗リレーだった。

走る系に出たがった球児が出る。6年生はあの鷹野先輩だった。アンカーをやるのは6年生なので、Sクラスはかなり強いと思う。


 他のクラスも足の速い人たちが出ているけど、Sクラスの運動特化の人達には敵わなかった。

小学生だけどオリンピックにも出られるんじゃないの?と思うほど早かった。


 最後のリレーも終わり、点数発表でSクラスは圧倒的大差で優勝した。

後日、あのチアの応援で普段の倍以上の能力を発揮できたのでは?とSクラスの上級生達がざわついていたらしいけど、ボクのせいじゃないよね?


 

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