第44話
「よし、飯も食ったし・・・ワシはユリちゃんと風呂にはいるぞ!」
「いいや、百合姫はばあちゃんと入るから。アンタは一人で入りな!」
「そ、そんなっ!!孫とお風呂・・・っ!」
そんな訳でお祖母ちゃんとお風呂に入った。ボクが自分で髪や身体を洗えるのを「偉い!」と褒められた。
なんで褒められてるのか分からなかったけど、そういえばボク小学一年生だったわ。
ネットでググった髪の手入れ方法を知ってから真面目にやっている。
その丁寧な手入れを小1でやっている事を褒められたようだ。えへへ
「孫とお風呂・・・」
お祖父ちゃんはまだヘコんでた。どんだけ孫とお風呂楽しみにしてたんだ。
「いや!まだだ!まだおねんねが残っている!!ユリちゃん!ジイジと一緒におねんねしようね!!」
「百合姫はジイジは”臭い”から一緒に寝たくないってさ。」
「ユリちゃんはそんな事いわないモン!!」
「父さん、モンとか言わないでよ、キモいわよ!」
やはりお祖父ちゃんはイジられキャラなのかもしれない。見た目は世紀末覇王みたいなのにね。
ちなみにお祖父ちゃんは身長が2メートルくらいあって、全身ムキムキで腕と足は丸太のように太い。そして鋭い眼光を放つ怖い顔をしている。
でもボクを見る時は目尻が下がりまくりの好々爺顔になってる。
結局ボクはお母さんとお祖母ちゃんの三人で眠った。
遠くからイビキなのか、すすり泣きなのかわからない声が聞こえた。たぶんお祖父ちゃんだね、あれは。
翌朝、朝食を食べてから祖父母宅から帰った。今回はお母さんの和解の為に来たから、あまり長居できない。すぐ帰らないと仕事があるのだ。
***
「あーまたお仕事が始まるよー!」
「そうねぇ・・・きついならお仕事減らす?」
「ううん、お仕事も好きだから!」
「そう、辛かったらちゃんと言うのよ?」
「うん!」
お仕事は結構好きだ、それに・・・若いうちに稼いで将来楽したいし!!
リタイア(子役引退)後は趣味に生きるのだ!!
「というわけで今日のお仕事は?」
「今日はCM撮影です。ゲーミングボトラーズの新作エナドリです。」
「ゲーム繋がりでCM依頼も来ちゃったかー!」
「そうですそうです!CMはギャラがいいですよ!」
ギャラの良いお仕事はボクの野望に一歩近付くね!
しかもただお金を稼ぐだけではなく、人気者にもなれるという一石二鳥のお仕事だからね!
しかし子役って何歳までなんだろう?そのへんよくわかってなかった。
「子役って何歳までなの?」
「大体小学生までですね。でも中学生でも子役と名乗っている子も居ますよ。まぁそのへんはちゃんと基準があるわけじゃないので適当ですよ。」
「そうなんだ!」
ふむふむ、じゃあ小学生までやろうかな!
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