第26話 便利な力

 夕食とお風呂を済ませてお母さんと一緒に食器を洗い自室に戻った。いつもなら寝るまでお母さんとお喋りしてるんだけど、今日は超能力を試してみたいからね。


 たしかジョセフは透明な力を出してたね。まずはこれが魔力、青いモヤモヤ。黄色いモヤモヤが気功。そして超能力は・・・何か出たけど色が違うような?オレンジ色のモヤモヤが出た。これじゃない。


 他にも紫色のとか赤いのとか出たけど出したい物じゃないから引っ込めた。そしてやっと白いモヤモヤが出た。


「モヤモヤの種類多すぎない?後でそれも調べないとね。」


 気を取り直して超能力を試してみよう。ジョセフは手から伸ばして物を掴んだりしてたね。魔法は「こんな事がしたい」って思うと魔法に変換される力だけど、意外と出来ない事もある。ジョセフがやったように物を持ち上げたりは魔法には難しい。物を転送とかは出来るんだけど、自由に移動させるという分野に関しては魔法に向いてないんだよ。


 ちなみに気功はこっそりドラゴ○ボールごっこをしてたら出来た。身体強化や気功波が出せるから、常に身体強化に気功を体中に巡らせてる。


 超能力の白いモヤモヤはとても動かしやすいね。第3、第4の手のように扱える。もっと増やせそう。10・・・20・・・50・・・100!やばい、千手観音みたいになった。そんなに要らなかったね。


 そうだ!いただき物でプラモデルがあったね、あれをこの手で作ってみよう。手がいっぱいあるから直ぐに出来そう!


「たしかこの辺に仕舞ってたはず・・・あ、あったった!」


 でっかいな。うーんと、これは。ナイチンゲール?ロボットアニメのヤツだね。前回は不器用だったからプラモデルも作れなかったからちょっと楽しみだ。組み立てるための説明書を読みながら超能力の手でパーツを1個ずつ切り取って行く。


 説明書でパーツを全部記憶したから数秒で完成した。意外と精密な動きができるし、ハイスペックな頭脳があると楽に使いこなせるね。他には何が出来るんだっけ。


 えっと。透視だったかな。魔法だと鑑定みたいな事は出来たけど透視は出来なかった。眼に力を込めて見ると眼から光線が出た。


「うわっ!壁に穴が!!【ヒール!】【ヒール!】」


 回復魔法の【ヒール】は何故か無機物も治せる。公太朗は「動物や植物しか治せない」と言ってたけど普通に無機物にも使えた。


 ちょっと失敗しちゃった!何も考えず眼に力集めたのが悪かったのかも、今度は「透視したい」って思いながらやってみる。


 スッとボクから近い物から順番に透けていく。良い感じに使えてるね!割と自由が効いてぬいぐるみの綿だけ透過しないとか、机の中身だけ見えるようにするとかも出来た。


 他に超能力で何が出来るのかググってみた。テレパシー・予知・発火能力・残留思念の読み取り・念写・瞬間移動などがあるみたい。どれが出来るのかわからないけど練習してみよー!







 

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