第24話 有能?な新人マネージャー雪子

 夏休み2週間目。なんとかマネージャーを変えてもらえた。


「ユリちゃん、今日からユリちゃんの担当マネージャーになる鳴瀬川なるせがわ 雪子ゆきこです。よろしくね!」

「雪子さんですね。よろしくです。」


 大学を卒業したばかりの新人マネージャーだそうだ。鈴木さんよりは仕事をしてくれそうな気がする。


「鈴木先輩から仕事の引き継ぎは出来てるので安心してください!ユリちゃんの夏休み中に入ったお仕事のスケジュール表と、受け取れるだけの台本は取ってきました!」

「おぉ!良い仕事してますね!鈴木さんはギリギリにしか渡さなかったから助かります。」

「先輩ってば酷いんですよ!デスクの上に無造作に台本とか資料とか置きっぱなしで、もう終わってるユリちゃんに渡してないお仕事のもそのままにしてあったんです!」

「あいつ・・・」

「でも私が担当になったからにはそんな事二度と起きませんから安心してくださいね!」


 やっぱりマネージャー変えて正解だったよ。


「直近のお仕事はこれですね。」


 雪子さんから手渡された紙にはCMやドラマのスケジュールが書いてある。今日は午後からCMのお仕事が入っている。清涼飲料水のCMで、内容は現場で直接説明がされるみたい。明日はドラマだけど冒頭に殺されるお嬢様の役だからセリフは無く、死んだふりしてるだけで良いみたい。


「今日はCM1件やれば良いんだね。」

「そうですね。ユリちゃんはまだ小さいので無理がない程度にしています。」

「助かります。」


 現場への移動中に先々のスケジュールや台本をチェックしていく。1度で覚えられる能力はメチャ便利!


☆ 


「ユリちゃん、CMはこちらの衣装で出てもらうので着替えてください。」

「はーい・・・・・・ん?雪子さん、衣装に下着まで用意されてるんですけど?」

「えぇ。念の為です。突然の雨などを想定して、これからは毎回下着まで含めた衣装を用意しますので安心してください。」

「なるほど。たしかに有るとイザという時たすかりますね!」


 夏らしい涼し気な色合いのワンピースと薄手のカーディガン、このカーディガンもパステルカラーで暑苦しさは無い。髪飾りもあったけど、普段髪飾りとか付けないし、仕事で着けるときはメイクさんがやってくれてる。今回は雪子さんがやってくれた。


「じゃあ、撮影行ってきます。」

「いってらっしゃい。」


☆ 雪子サイド


 楽屋から出ていったユリたんを見送り、10秒ほど我慢をした。


「よし!行ったね!!」


 私はおもむろに置かれた、先程までユリたんが来ていた服を手に取り思いっきり吸った。


「くんかくんか!ユリたんのニホイ!くんかくんか!うほおー!!幼女臭!幼女臭!!いや!美幼女臭!!!たまらん!!くんかくんか!・・・・・・でも、パンツは手に入らなかった!!あれも揃えば優勝してたのに・・・!!」


 ユリたんを初めてテレビを見た時、私はカミナリに打たれたような衝撃を受けた。そして新たな扉が開いた。そう、ロリコンの扉だ。でも安心してほしい!私が好きなロリは美ロリだけだから!ユリたんレベルの美ロリだけだから!


 しかし私の本性をユリたんに知られるわけにはいかない、バレたらマネージャーをクビになってしまう!これからも有能なマネージャーに擬態してユリたんを愛でるのだ!!


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