第20話 雅「甘くて美味しかったですわ!」
続き物のドラマが1本終わったので、少しだけ時間に余裕が出来た。なのでミヤビちゃんの家に遊びに行く事にした。前から誘われてたけど忙しかったからね。
雅ちゃんが住んでいるのは純日本風のお屋敷だった。これでも別荘なんだそうだ。本邸は京都にあって、ここよりでっかいらしい。SPっぽい人達がガッツリ警備に付いているし、防犯カメラも死角が無いくらい沢山あった。凄いなぁ。ウチも防犯カメラくらいつけたほうが良いかな?
「お待たせしました~ユキちゃん~!」
通された応接室で待っているとミヤビちゃんがやって来た。いつも見る制服じゃなくて着物を着ている。艷やかな黒髪に似合っている。
「全然待ってないよミヤビちゃん。着物似合ってるね!可愛いよ!」
「まぁ!うれしいです~!どの着物にするか3時間ほど悩みましたの~」
「凄い悩んだんだね。」
悩むほど沢山着物があるんだろうなぁ。
「さあさあ、わたくしのお部屋に案内いたしますわ~」
「あ、うん。」
応接室から出ると筋肉質な男性が人力車の隣で待機していた。え?
「少々遠いのでこの車で行きますわ~」
「へ、へぇ。」
ミヤビちゃんとボク、それぞれの人力車に乗り込むとムキムキお兄さん達が位置に付いた。
「わたくしのお部屋に向かってくださいね~」
「「へいっ!」」
廊下が道路並みに広いので、人力車が2台が並走してても余裕がある。フローリングの床の上をタイヤが走るからキュッキュッ音がする。しかしお金持ちの家ってみんなこんな感じなのかな?
人力車のお兄さん達が結構な速度で走ったのに、ミヤビちゃんの部屋に着くのに20分掛かった。マジで広いな!道の大半が巨大な庭園を抜ける渡り廊下だったけど。それでも部屋数が多すぎる!そんなに何に使うの?行き過ぎると逆に不便じゃん!もし、ボクが家を作るなら機能性重視にするかな。
「何でこんなに広いの?」
「お父様が室内でゴーカートがしたいとかで、この廊下は実はコースなんですよ~」
「な、なるほど?随分ヤンチャなお父さんだね。」
「えぇ。おバカですわ!」
「あ、そんなハッキリ言っちゃって良かったのか。」
「その代わり、わたくしも趣味は自由にさせてもらってますわ~」
ミヤビちゃんの趣味って何だろう?日本舞踊とか華道は特技だろうし、会話でそれっぽい話題は出たこと無いな。何だろ?
「さぁユリちゃん!わたくしのお部屋を御覧くださいませ~!」
「こ、これは・・・!?」
50畳以上ありそうな巨大な部屋は壁際のほぼ全てにショーケースがあり、その中にはまるで専門店かと思うほど美少女フィギュアが飾られている。天井も大型倉庫みたいに高くショーケースよりも高い位置の壁には美少女が描かれた抱き枕カバーやブランケットが貼り付けられている。無駄に広い床には等身大フィギュアが並んでいるし、棚にも美少女グッズがキレイに展示されている。
「素晴らしいでしょう?わたくしの宝物ですの~♡」
「そ、そうだね。凄い量だね。」
一応前回ではアニメ・マンガを嗜んでいたから知っている作品も有る。・・・・・・あれ?この作品のキャラ達、もしかして。
「百合作品ばっかりだ・・・」
「そのとおり~流石ユリちゃんですわ!わたくし【美少女同士の百合】が大好物ですの~美少女だけでも美しいのですが、美少女同士でイチャイチャするとより美しくなりますの!素晴らしいですわ!」
ミヤビちゃんは興奮して来たのか鼻血を吹き出しながら熱弁しだした。
「そうなんだ。ボクも百合作品は好きかな。嗜む程度だけどね。」
ガチよりはゆるい感じのが好みだけど、好きなものの方向性は一致してるからミヤビちゃんともっと仲良くなれそうかも。
「はぁはぁ、これは運命ですわ!ユリちゃんもそう重いますわよね?!」
「え?うん。趣味が近いのは良いよね。って!ミヤビちゃん?何だか距離が近くない?」
「はぁはぁ、ユリちゃん・・・」
おや?!これは・・・もしかしてキスするつもりなのでは?!何で?流れが全然分かってないんだけど!
問1 次の問題を答えなさい。
・雅は百合好きである。そこに百合姫がやって来ました。 百合姫は百合に理解のある美幼女である。この時、雅はどのような行動に出るでしょうか?
①大好きな百合について永遠に語り合う ②百合は置いといて普通に遊ぶ ③真の百合好きは自分だけでいいのだ!と喧嘩する ④百合百合する
「し、しまっ・・・!」
答 ④
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