第13話 Aクラスの井地川くん

 Sクラスのみんなとは一応仲良く成れたと思う。5人だし、話せば分かる子達だから良かったよ。


 しかし、隣のAクラスの生徒が最近ちょっかいを掛けてくるようになった。


 その主犯である男子、井地川いじがわ るい。彼は数人の舎弟を引き連れ毎日Sクラスに来る。


「おい!Sクラス!今日はこれで勝負しろ!」


 丁度井地川が来た。


「ジェンガ?」

「そうだ!昨日はお前らの得意分野の卓球で負けたからな!今日こそ俺たちが勝つ!!」

「おいおい、おれたちは別に卓球が得意じゃなかったんだぞ?お前らが弱かっただけだ!」


 投児が相手してるのが井地川だ。会話の通り昨日は今日と同じようなセリフを吐いて卓球で勝負を挑んできた。そして投児に圧勝されて泣いて逃げ帰った。そして毎回懲りずにやってくるのだ。


 井地川はこちらが負けたらSクラスに入れろと言っているが、そんなの勝手にクラス変更とか出来るわけが無いから正直、井地川がやっている事は無駄でしかない。


 もしかして井地川は遊んで欲しくてウチのクラスに来てたりする?


「では俺が相手をしよう!」

「くっ!強そうだなお前。だが、ウチにもサイキョーのジェンガーがいるぜ!」


 ジェンガー?そんな言葉があるの?あ、こちら側は公太朗です。


「ふっ!まかせろ。僕っちはジェンガー前多!おじいちゃんに勝った事もあるんだ!」

「ほう?お前のおじいちゃんはジェンガ強いのか?」

「あぁ、家族で一番強いんだ!」


 まぁ、小1ですものね。


 結局、公太朗はこっそり魔法を使って圧勝した。大人げない!そして泣いて逃げ帰る井地川たち。明日また来るんだろうなぁ。



 翌日、ボクはお仕事で学校はお休みだった。なのでミヤビちゃんから学校の様子をラインで送って貰っている。


「ユリちゃーん!一旦休憩でーす!」

「はーい!」


 水を飲みつつスマホの確認。あ、ライン来てる。


ミヤビ『Aの方たちが来ましたわ』ミヤビちゃんラインだと間延びしてないんだよね。

トウジ『今回はゲーム機をわざわざ持ってきてるぞ?』

マナブ『ゲームとは低レベルなAクラスらしいですねぇ』

コウタロー『いやゲームは悪くないだろ!』


 何故かゲームを悪く言われてキレる公太朗。マナブも味方陣営から怒られると思わずギョッとしている。その後勝負していたようで、間が空いてSクラス勝利の写真が送られてきた。


「ユリちゃん!準備お願いしまーす!」

「あ、はーい!!」


 呼ばれたのでボクはお仕事に戻った。


 

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