第5話 初めてのお仕事
お仕事の依頼が来た。子供服のチラシのモデルだった。服を着てニコニコしていれば良いのかな?楽勝だね!
現場の撮影スタジオに行くと、ボクと同じようにモデルをしに来た子達が沢山いた。上は小六、下はボクくらいまでかな。高学年の子は流石に現場慣れしているようで次々とポーズを変えて写真を撮られていく。
小さい子は落ち着きが無く付き添いの母親に宥められている。化粧台でメイクされている女の子達は「私が世界一可愛い!」って感じの自信に満ちた顔でメイクされた自分を見て目を輝かせている。
さて、ボクも着替えてメイクをしてもらおう。
「はーい、あなたはこれ着てね。わお!可愛いわねー!やっぱりこっちを着てちょうだい!絶対売れ・・・似合うわ!」
ガタイのいいオネェさんから普通のTシャツを渡されたけど、やっぱりこっち!とフリフリの服に交換させられた。なんで?
更衣室でお母さんに手伝ってもらいなんとか着替えた。不思議の国のアリスのアリスが着ているような服だなぁ。服以外にも髪飾りのリボンとか手首につけるカフス?とか靴もあった。
おかしい。他の子は明らかに普段着と呼べる服装なのになんでボクだけファンシー系なのか。イロモノなのでは?
まぁ、仕事は仕事だし。文句は言わないよ!
☆
初仕事から1週間後。マネージャーの鈴木さんから連絡があった。あの洋服屋さんのチラシのボクが何故かテレビで取り上げられてアリス服が馬鹿売れしたとか。
謎の美少女モデルとか騒がれているそうだ。チラシだとモデルの名前載ってないからね。いったい誰なんだ!ってネットの掲示板もSNSも盛り上がっているらしい。
鈴木さん曰く、売れたら専属マネージャーも付けられるから仕事をガンガン取るそうだ。と言うか鈴木さんが専属マネージャーになりたいようだ。
複数人見るのが辛いらしい。でも売れっ子のマネージャーもキツそうな気がするよ?
どうやらボクの容姿が世間ウケするらしく、子役というより子供モデルとしての仕事がガンガン入ってくるようになった。
モデルとしての才能も目覚めちゃって、カメラマンさんに「魅せるのが上手い!」と褒められるようになった。ボクが着た服はすごく売れるらしい。
カンでやっているので言葉で説明は出来ないんだけど、なんとなくこうすればより良く見えるとわかるようになった。
気になったので、ボクも自分で掲示板やSNSでエゴサをしてみると、評価が高い事を確認できた。しかし一部の人達はボクの水着モデルとかを切り抜いてペロペロしてるとか言っていて怖かった。キミタチ、ボクまだ幼女だよ!!
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