第15話 友情を育む


「まぁ!ではアリア様も【闇の王子と光の姫】を読まれたのですね?私もあんな風に一途に思われたいわぁ〜」


 ウットリとそう言うのはスカーレット様。

 やめといた方がいいよ、きっとヤンデレだから。


「わ、私は闇の王子様は少し怖く感じますわ」


 とクロエ様。

 その勘は正しいと思います。


「このクッキー、美味しい………」


 マイペースなミシェル様。

 どんぐりクッキーを気に入ってもらえて何よりです。

 最初はどうなることかと思ったお茶会だったが、思いの外和やかなムードに。


 きっかけは、この間読んだ【闇の王子と光の姫】

 いつの時代も女子は恋バナが好きなのだ。

 ちなみに、スカーレット様は私より二歳年上の六歳、ミシェル様は一歳年上の五歳、クロエ様は同い年の四歳。

 ミシェル様が歳上なのにはビックリしたけど、一般的には五歳ってこんなものかしら?

 ちなみに、ユズはスカーレット様と同じ六歳だ。


「ねぇ、私たち、もうお友だちよね? 」


 スカーレット様が、恥ずかしそうにたずねてくる。

 強気美少女の恥ずかしショットは貴重!

 思わず、カッ!と目を見開く。

 スカーレット様が私の眼力にビクッとなったので、慌てる。


「勿論ですわ! 」


 隣に座っていたスカーレット様の手をガシッと掴む。


「ありがとう」


 照れ顔も可愛いです、スカーレット様。

 クロエ様とミシェル様も異論はないらしい。


「なら私たち、愛称で呼び合わない? 」


「素敵ですわ! 」


「わ、私も呼ばれたいです! 」


「異議なし………」


 そうして、私はアリー、スカーレット様はレティ、ミシェル様はシェリー、クロエ様はココと呼び合うことになった。


 ユズも参加するかと思ったが、我関せずでおしぼりでアヒルを作っていた。

 無駄に器用ね。

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