第47話「高速中級狩場巡り(浅層のみ)」

「──サァ、行くぜ!!」


 そして、クラウスはボッチを極めん・・・・・・・とばかりに、僻地の町近傍の人気ひとけのない狩場に籠りに籠った。



「うおおおおおおおおおおお!!」



 まずは、ボッチソロ専門狩場、


 『破砕された見張り台』


 ここは、昔の城塞跡がダンジョン化した場所で、上部の建物部と付帯設備がフィールドと、内部の地下がダンジョンという複合化した変わった狩場だ。


 ただ、上部のフィールドはともかく、

 内部の地下は薄暗く、アンデッドの湧く気味の悪い場所で、冒険者には人気がない。


 しかも、採取できる資源が発見しづらく、その量も極めて少ないのだ。



 ……だが、自動資源採取のできるクラウスにはうってつけの場所と言えるだろう!



『コカカカカカカカッ』

『グルォォォォオオオ』


 でたでた。

 スケルトンソルジャーに、グールローマー! 全部、中級の魔物!


「こぉい!」


 まずは、元気な奴を一匹引き付けて──────刺すべし!!


『コカァ?!』ザクッ!

『グルォ?!』ザクッザクッ!


 刺すべし、刺すべし!!

 ……一撃したことで戦闘実績解除────!!



 …………かーーーらーーーーのぉぉぉぉおお!




 自動戦闘!──発動ッ

 自動戦闘!──発動ッッ



『コカァッァアア…………』

『ゴルォォォオオ…………』


 いつも通りにチートな性能をした『自動戦闘』……!


 気が付いたときには、

 バラバラバラと白骨の山に還るスケルトンソルジャー。

 ……グールローマーにいたってはズタズタに引き裂かれている。


「ふーー…………。これで浅層の魔物は全滅させたかな?」


 クールタイム発動中……。


「次は、近いところの資源採取だ!!」


 周囲の安全を確保しつつの、


 『自動資源採取』。

 自動資源採集ぅぅぅう!



 発動ッッ!



 ……クールタイム!!


「よーし! 数は少ないけど、資源ゲットだー」

 &、途中で湧いてきたアンデッドも何体か倒したぞ。


 どんなもんだーーい!!



 チーーーーーーン♪



 ※ 『破砕された見張り台』の成果 ※


 ~ドロップ品(討伐証明)~


 スケルトンソルジャーの下顎×4

 グールローマーの下顎×3

 ダークボーンドッグの下顎×3

 ファントム血石×1



 ~採取品(鉱石類)~


 古い獣骨×3

 呪われた人骨×2

 銅鉱石×50



 ~ドロップ品(魔石)~


 魔石(中)×1⇒使用済み

 赤い魔石(中)×1



「う~ん……びみょー」

 採取した資源と回収した魔物素材を背嚢に詰めていくが、思ったほどの実入りではない。


「少なくないわけじゃないんだけどなー……」


 やはり、ソロでは表層しか行けないため、実入りが少ない。

 それに狩場の内部に詳しくないため、思い切った【自動機能オートモード】の使用ができない。


 やってやれないわけではないが、

 気が付いたときに、ダンジョンの奥地で迷子になっていましたというわけにはいかないのだ。


 この辺の危険性は、下級ダンジョンの比ではないだろう。

 下級ダンジョンでさえ、ロックリザードやスケルトンジェネラルに遭遇したのだ。

 中級ダンジョンでこれ以下の危険しかないなどという甘い幻想は抱いていない。



 それゆえ、結局は目の前の資源と魔物に対処するくらいしかできていなかった。



「まぁいい。安全第一!! 冒険者の心得────生きて帰ったものが正義ッッ!!」


 というわけで……。


「次だ、次!!」


 その後、クラウスはソロ推奨?ダンジョンを駆け抜けた────。



「うぉぉりゃぁっぁああああ!!」



 『蟻の荒れ地』


 巨大蟻が食い荒らした後の土地で、草一本栄えていない不毛の大地。

 そこがフィールド化したのだ。


 岩塩や貴重な原石が取れることもあるんだとか。


『ギギギギギィィィィイ』

『キリキリキリキリキリ』


 でたでた。

 侍アントに奴隷アント!


 デッカイ蟻の化け物だ。


「さっこぉぉい!!」


 まずは、元気な奴を一匹引き付けて──────刺すべし!!


『ギギィ?!』

『キリリ?!』


 かーーーらーーーーのぉぉぉぉおお!


 自動戦闘!──発動ッ

 自動戦闘!──発動ッッ


『ギチギチギチギチギチ……ギギ』

『きぃきぃきぃぃぃぃぃ……きき』


 腹を上に向けて体を丸めるようにして動かなくなった巨大蟻ども。

 かなりの数がいたようだが、とりあえず見える範囲は殲滅できた。


「ふーー…………。これで、このフィールドの見通し範囲の魔物は全滅させたかな?」


 クールタイム……。


「次は、安全圏内の資源採取!!」


 自動資源採取。

 自動資源採集ぅぅぅう!


「よーーーし! 資源ゲットぉっぉぉおおお!」

 &蟻系の魔物も倒したぞー。



 ※ 『蟻の荒れ地』の成果 ※


 ~ドロップ品(討伐証明)~


 侍アントの触角×6

 奴隷アントの触覚×26

 大黒アントの触覚×5

 赤羽アントの触覚×18



 ~ドロップ品(素材)~


 蟻のフェロモン塊×1

 蟻のギ酸袋×15



 ~ドロップ品(魔石)~


 魔石(中)×2⇒使用済み

 黄色い魔石(中)×3

 黒い魔石(小)×1



 ~採取品(草木類)~


 土茸×20

 黒いサボテン×4

 


 ~採取品(鉱石類)~


 岩塩×5

 ラピスラズリの原石×4

 ガラス結晶×3




「まだまだーーーー!!」


 クラウスは駆ける!!

  駆けて駆けて駆けまくる────!!


 「僻地の町」の近傍の中級ダンジョンの────割と浅いところ・・・・・・・だけを……!!




「とぉぉぉっぉぉおおう!!!」


 次々いくぜぇ!!

 浅いところだけを、ね!!


「しゃぁ!!」


 『枯れた松林』

  王家が所有していた高級茸農園の成れの果て。

  時の王が好んだ茸が自生していたが、のちに『靴下の匂いがする』として敬遠

  以後、その茸も農園も廃れフィールド化する。


「とぅ!!」


  『古の休憩所』

   古代の都があったとされる街道の中継地点。

   地下のドワーフが築いた大地下都市がある。

   当時は地下歓楽街があったとされるが、崩壊してほとんど進めない。

   現在はダンジョン化し、モンスターの巣窟になっている。


「うりゃああ!!」


   『耳鳴り渓谷』

    風に共鳴する石や木などがまばらに生える寂しい渓谷。

    なぜが吹き抜けると、一斉に石と木々が低周波音を立てる。

    それが、さながら耳鳴りのように聞こえることからこの名がついた。

    昔からフィールド化が進んでおり、爬虫類系など魔物が生息。


「ここで────最後!!」


    『赤く錆びた街道』

     巨大財閥が所持する狩場の一部。

     年間利用料をギルドから受け取り、狩場の一部を開放している。

     生きた天然鉱山として、傭兵が常に在中しリポップポイントで待機。

     魔物を狩り続け魔石の採取を行っている。

     リポップポイントが定まっている珍しいフィールド。

     それ以外は一応自由に使用可能である。アンデッドが出没する。



 などなどなどぉぉお!!


 自動戦闘!

 自動戦闘!


 クールタイム……。


 自動資源採取。

 自動資源採集ぅぅぅう!


 クールタイム!!


「はぁはぁ、ぜぇぜぃ……」


 そして、

 あっという間に、残る狩場──、


 『枯れた松林』

 『古の休憩所』

 『耳鳴り渓谷』をクリアし、


 残るところは、帰り道にある『赤く錆びた街道』のみとなった。



「ふー…………働いたぜぇ」



 ジャキジャキジャキジャキ♪ ジャキィン……!



 チーーーーーーーーーーン♪



※ 本日の成果。上記の加えて──…… ※


 ~ドロップ品(討伐証明)~


 歩く松茸の笠×1

 ビッググールの下顎×4

 ゴブリンメイジの耳×4

 大鳴きトカゲの尻尾×3

 ラージバットの牙×2

 ゾンビ馬の蹄鉄×3

 ラージホーランラビットの尻尾×3



 ~ドロップ品(素材)~ 


 歩き松茸の塊×1

 


 ~ドロップ品(魔石)~


 魔石(中)×4⇒使用済み

 魔石(大)×1⇒使用済み



 ~採取品(草木類)~


 赤松の葉×20

 アーロエ×20

 屍草×10



 以上────……!




 ぜぇぜぇぜぇぜぇぜぇ…………。


 げほ────。




「……うん」


 うん………………。





「………………………効率、悪ッッッ!!」

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