第30話 吸血鬼○○○の流浪7

 二人揃って押し黙って夜の街を歩いている。

 そろそろいい時間になった。街を出た途端いきなり来た。


野盗1「見てたぜェ姉ちゃん。親子だけでずいぶん羽振りが良いじゃあねえか。身ぐるみ置いてきな。じゃないと子供の命は無ェぜえ…」


 ゴロツキ×2が襲ってきた! 旦那様が捕まって短刀で脅迫されている!しかし私と旦那様が親子だと! 確かに外からだとそう見えるか…そうか…


女  「あの、旦那様…」


 私は旦那様に指示を仰ぐと 


ショタ「てめえら失せな」


 一切動揺せず呟く。


野盗2「おいおいおい威勢がいいねェ。ボクちゃ~ん大人しくしてないと怪我ちまちゅよ~? 」


ショタ「もういいよお前」


 少年は後ろ手のまま自らを抱えているおっさんの腹に手刀を突き込む。少年の爪は易々と衣服を切り裂き、なんの抵抗もなく肋骨まで到達する。少年はその内の一本を千切り折るるとそのまま腹から腕を出す。鮮血吹き出して崩れ落ちるおっさん。


野盗1「ヒィッ!」


 その場で逃げ出す生き残り。だが


ショタ「おいおい逃げんなよ」


 数秒で追いつかれて組み伏せられる野盗。相手はどう見ても幼児寄りの子供なのに振りほどけない。突き飛ばそうにもビクともしない体重だ。これのどこが子供なのか。


ショタ「金目のもん全部出しな」


 少年が締め上げる


野盗1「出す! 全部出すから! 命は見逃してくれ!!」


ショタ「これっぽっちか?? シケてんなぁ。どうしよっかなあ…」


 少年はもてあそびモードだ


女  「旦那様?」


 顔面蒼白の女が追いついてきた。辺りには血だまりに沈んでいる死体。野盗に馬乗りになって締め上げている少年。


ショタ「あ…………」


 立ち上がって姿勢を正す少年


ショタ「何見てんだ。さっさと失せろや」


 野盗を蹴り上げる少年。野盗は一目散に消え逃げる。立ち尽くす少年と巨女。


ショタ「……やっぱ辞めるか?俺に買われるの。怖えぇだろ?」


女  「い、いえ!腕っぷしも強い旦那様で安心です!」


ショタ「そうか? まぁ…お前がいいなら俺は助かるが……」


女  「これからも全身全霊でお仕えさせていただきます!! 」


 そのまま二人で帰った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る