第19話 アトランティス 7
監禁3日目。
昨日の絶叫悲鳴がミナ陛下なんだろうな。そろそろ俺の番だろうなあ。まぁ所詮今生は死後のロスタイムだし?《死ぬほど痛い》がどんくらい痛いかも知ってるし?それほど生に執着はしてませんし?前世今生合わせてもまだやれてない事山ほどあるんスけどッ!とか思ってませんし?アレやってねえこれやってねえとか」
クレイ「声に出てるぞ」
ファッ???!?!!!?!!
あいつだ。あの声だ。王宮に乗り込んで来た白スーツ!あいつがガラスの向こう、廊下と部屋の間のエアロック部屋に立っていた。今日はヘルメットしてなくて今初めて顔を見た。女だったのか。頭には孫悟空だかティアラだかわからんがヘアアクセが載っている。
サアム「・・・いつから聞いてた?」
クレイ「死ぬほど痛いがどんくらい~から」
ウッッッッソだろおい・・・
クレイ「死んだことあるの?」
サアム「無いです」
今生ではな
クレイ「・・・・・・・・・・・・」
うわっ、めっちゃ半目されてる・・・
クレイ「まあ貴方の素性は追々調べるとして」
クレイ「来なさい。面会よ」
●
テレビでしか見ない会談ルームというか豪華応接室というか、そんな部屋に連れてこられた。テーブルひとつ、
上座に座るは壮年男が一人。こいつも頭に飾りが付いてる。
議長 「君がサアムウト君だね。初めまして。」
この
議長「《ビーーーー》で《ビーーー》をしているメストルだ」
一瞬の沈黙
機械 「翻訳先言語に対応語がありません。翻訳元話者は再入力せよ」
その後は俺の知らない言語でまだ喋っている。多分翻訳元言語版でもう一回言ってるんだろう
クレイ「この島国家の最高権力者メストルよ。貴方でも解るように言うと王ね。王政ではないけど」
クレイタルがエジプト語(この表記には問題があるが字数が増えすぎる)で助け船を出した
サアム「サアムウトです。よろしく」
メスト「まずは初手から敵対的行動をとった上、この島まで拉致監禁した事を詫びたい」
サアム「別に普通でしょ。俺だって宇宙行ってる時期に石器時代の原始人湧いても接触なんかせず打ち払うだけだし。」
ビービービー
やべっ、よく考えたら今の台詞の単語半分以上日本語だわ。ピジン化してやがるな俺。俺いつもこうならエジプト人たち誰か突っ込めよ。頭がおかしいってこういう事か?
サアム「別に普通ですよ。俺でもそうします。これだけ国の力に差があればね」
今度はビービー言われずにすんだ
メスト「助かるよ。我々の所業を思えばここで殺されても文句は言えぬ」
サアム「気持ちはそうでもこっちには手段が無いですよ」
サアム「空を飛ぶ船と光の速さの矢相手に投石弓矢じゃあね」
メスト「そうツンケンせんでくれ。ちゃんと君は無事に帰すよ」
サアム「《俺は》か。対話する気になってもやはり
メスト「アレが何か理解しているとはね。とてもピラミッドの国生まれとは思えん。確かに報告通り潜在的には君の方が危険そうだ。」
一息
メスト「勘違いしてそうだが、君の待遇が良いのは脅威の低さや弱さではない。どんなに怪しくても君は人間だからだ。それに対して
ずいぶん文字数をかけたな。21世紀なら<それ、アナログハック。>の一言で済むのに
サアム「逆なんだよおっさん。」
サアム「陛下が寄ってきたんじゃない。俺が行ったんだ。
陛下が誘ったんじゃない。 俺が頼んだんだ。
陛下がやらせてるんじゃない。俺が願ったんだ。」
メスト「それがあういう手合いの手口なんだよ」
言い終わらないうちに、突然の地震。
続く散発的な打撃音。
メスト「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」
翻訳機械を停止させながら俺には内容はわからんが何か会話している。
どうやって?誰と?今頭の飾りに触った。やはりあれが通信機か。
メスト「急用が出来た。引き続き君は部屋で歓待を受けていてくれ。今日は第一歩としては友好的に進展したと思う。また話そう」
テーブルの翻訳機械が喋り終わる前におっさんはすでに退出し終わっていた
クレイ「部屋まで行くわよ」
注
ピジン化:ピジン語で検索
アナログハック:アナログハックで検索
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