第17話 夜明けのヴァンパイア

夜になってまた外に檻ごと引き出された。


水平線の朝日が直撃するあつらえたような広場だ。


身ぐるみ剥がされ全裸な私。身を守るものは何も無く、元からあった椅子は骨組みと枠だけでできた代物で何の盾にもならない




ミナ 「結局日光だよりか?お前らでも自力で殺せねぇんだな」


精一杯の強がりでもある。




クレイ「死にさえすれば何でもいいですから」


恐怖と忌避の無表情づら。




ミナ 「本当に俺が死ねばエジプトとエジプト民には手ェ出さねェんだろうな?」




クレイ「ええ誓いましょう」 


無表情づらのまま。


クレイ「私の言が噓だとして、お前が今から暴れたとて、我々は即サアムウト君とエジプトを皆殺すだけ。お前の足では我々の船に追いつけない以上、お前に選択肢は無い」




ミナ 「サアムウトがまだ生きてるとこ見せろ」




するとクレイタルは待ってましたとばかりの笑みで




クレイ「そう言うと思ってこんなのを持ってきましたよ」




どこから出したのか、薄板を地面に立てて置く。すると板が光り出しサアムウトになった




クレイ「今の彼の様子です。もちろんこんな映像いくらでも偽造できますが原始人のお前には理解不能でしょう」




そう言うとクレイタルは屋内に帰って行った。


サアムウトの様子はというと今は夕飯だった。食欲から解放されて以来、ヒトの食い物には疎くなったがそれでも俺には見たこともない到底食い物には見えない物体たちだった。だがサアムウトは一瞬も気にせず食っている。人の気も知らねえでよ・・・


図太いお前ならここの連中とも渡り合えるだろうよ。悪いが後は自力で助かってくれ







朝が近くなってきた。


サアムウトは?あいつまだ寝ておるわ・・・


俺って死んだらどうなるんだろな?ウセルと同じトコ行くのか?でも俺エジプト民じゃないしな・・・無理か・・・・・・


ウセル・・・私はどうすればいい?


もうお前との約束も守れない。


もうお前の願いも叶えてやれない。


謝りに行くから。そこで待ってて。


今行くから。


ほら。もう日がそこまで来てる。


来る!


来る!!


来る!!!


あ。


これが朝日か。







秒速29万9792.458kmで直射日光が目に飛び込んでくる。水晶体で屈折され実質的に増幅された光線が網膜の一点に集中する。瞬間、当該の網膜が灼け落ち進路の空いた光線が反転像を結びながら頭蓋まで殺到する。同時に硝子体がんきゅうないえきたいが沸騰、そのまま破裂し視覚が消失する。視覚が無くなったことで方位が取れなくなり、日光で半身灼かれる➡反射で避ける➡新しい面が灼かれる➡避ける、この繰り返しにより全身満遍なく灼かれていく。自切や血与ちあたえで使うので痛覚をon・off出来るミナは必死にoffを連打するがなぜか日灼けの痛みだけはoffできない。皮膚層を突破した日が次は筋肉層を灼き始める。これで手足の可動に制限がかかり始め、蹲うずくまるしか出来なくなる。次にもういいだろグロ描写は!!やめやめ!!!







※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ァァァァァァァァァァァ


部屋をつんざくサラマンダーの鳴き声(注1)みたいな高い金切り声で飛び起きた俺サアムウト。


悲鳴は小さくなったがまだ続いている。




サアム「なんだこれは?」




今回!主人公死す!【完結済み】!!






注1:ゾイドのサラマンダー。各自youtubeニコ動等で見て(聴いて)くれ

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