第7話 シヴィライゼーション ターンハーレム

サアム「こっちに何があるんですか」


ミナ 「後宮(ハーレム)だよ」


王宮敷地内を歩く。吸血鬼(俺が勝手に言ってるだけで具体的にミナがどういう存在なのかはまだ不明だ)だからといって人の世に関わると決めた以上昼間一切外に出ないというわけにもいかず、とりあえずで作った巨大傘を侍従に持たせて外を歩いている。一応煙とかは出てないようだが。


サアム「この傘どうです?」


ミナ 「悪くない」


本当に喜んでる?表情全然わかんないんだけど。しっかしこいつの顔面偏差値やっべええ

なマジ。どの角度から見ても宇宙最強の美少女。これがホンマモンのミスユニバースやで!俺が小学生のころからポケモンやモンハンやカスメで作ってきたオリキャラがそのまま128K高画質で現実に顕現!生きてる!動いてる!CVまで妄想通り!この人のそばに居られるなら電気無しネット無し水道無し石器時代も耐えられるわ。


ミナ「なに見てんだ。入るぞ」


  ●

後宮大広間。事前に参加自由と言ってあったがハーレム登録者全員出席のうえ全員がフル装備の完全正装だった。ラムセス2世(俺はラムセスの本名がウセルマアトラーだって事こっちに転生してから知ったよ)以降、相次ぐ戦乱と内乱もありハーレムは縮小につぐ縮小だった(大臣たちやミナから聞いた。最下級役人の俺に王族貴族の事なんかわかるわけないだろッ)が、それでも前王のハーレムは20人を超していた。


ミナ「知っての通り、これからは余がファラオである。ついてはこの後宮もいずれは無くなるであろ。脱走禁止・浮気禁止の法は消した。どこへでも好きに行くがよい。」


ここまで台本通りのセリフである。王っぽく威厳が出るまでやった特訓は長くつらいものだった。


サアム「別に残してもいいんじゃないですか。陛下もちゅーちゅーするでしょ」

ミナ 「別に要らねえよ」

女  「恐れながら陛下!」


誰?ハーレム女の誰かが土下座みたいで土下座じゃないあのポーズで前に出てた。もちろん名前なんか知らん(そもそも初対面だ)


ミナ 「なんだ」


陛下それ素!素出てるから!演技して!


女  「一度も後宮にいらっしゃらずに廃止とは心外千万。それに化粧と愛される事しか知らぬここの女たちにいきなり出てけと言われましても野垂れ死ぬばかりでございます」

ミナ 「余がこんな男用性欲処理所行くワケねえだろ。てめえらはどっか嫁ぐでもするかなんか仕事覚えろよ。紹介ぐらいしてやる。それに今すぐ出ろとは言わん。もう給料は出ないしこれまでのような贅沢はさせんが食いもんぐらい出す。行き先ができるまで居ればよい」

女  「いいえ。ここはただまぐわうだけ場所ではございませぬ。私が証明いたします」

ミナ 「ほーーー。ほざくねえ。なら余の部屋で待ってろ。余が満足せんかったら前ファラオと同じく首落として八つ裂きだ」


   ●


あれから14日たったけどあの女まだ生きてるらしいよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る