第13話 レーに到着、観光開始

 翌日2018年8月5日、早朝まだ暗いうちに再び空港へ。現地の小さな飛行機でレーに向かった。飛行機の窓から素晴らしい山岳風景が見えたのは覚えている。それからホテルに着いて、ガイドが近くのお寺を案内するというのを私は断った。妻はせっかくだからと出かけていったが、私はとにかく休みたかった。部屋に残って、たぶん、寝たのだと思う。 

 次の日、2018年8月6日の朝、豪華ですばらしいホテルだということに気づいた。大きな窓ガラスから陽光が明るく差し込む食堂は、静かでリッチだった。だけど、このころから固形物があまり喉を通らなくなって、アイスクリームとか、甘い飲み物しか受け付けなくなっていた。当然身体に力が入らない。その日の観光も私はパスして、ベランダでぼうっとして、この日もガイドに伴われ街を見に行った妻の帰りを待っていたように記憶している。やけに高いとがった山の嶺が、青空に聳えていた。

 次の日2018年8月7日は別のホテルに移動するということで、車での長旅となった。幸い座っているだけならまったく苦痛ではく、車窓にひろがるインド北部の景色を楽しんだ。途中、ドライブインで水ギョウザみたいなのが出たけど断った。ひどい崖道を登ったり下ったりして、大きな橋を渡って、田舎のホテルに着いた。その程度しか記憶にない。そして、着いたとたん、疲れたといって寝てしまったらしい。夕方目が覚めて、喉が渇いた言って、冷蔵庫にあった炭酸飲料を飲み干したことだけ覚えている。せめてホテル近辺の写真だけでも撮りたかったが、どうにも動くのがおっくうだったから、やはりすぐ横になったように思う。

 翌日2018年8月8日は観光地を巡りながら、もう一度前のホテルに戻るということで、再びロングドライブとなった。途中のドライブインで昼食となったのだが、私は食べたものを全部トイレで戻してしまった。ガイドも心配してくれたが、どうしようもなかった。途中天気のよいひろびろとした場所で車を降り、写真を撮った。でも、この時車から降りることが、とても嫌だった。できればずっと座っていたかった。この時の写真は、青空の下、草の生えぬ砂漠のような荒野に一本道が続く風景。そして、この後も車の窓から何枚か写真を撮っているのだが、全部ピンボケのブレブレ写真ばかりだ。意識が遠のきつつあった証拠である。

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