第6話 体調不良の原因が判明

 話が長くなり、しかも時間的に行ったり来たり。さらに趣味の自転車やカメラの話になるといくらでも伸びるので申し訳ないのだが、体調が悪くなったのに病院に行かなかった理由は分かっていただけたのではないかと思う。話を2014年の5月に戻すが、その時の症状についても、私はまず、ネットで調べた。それにしても便利な時代になった。もう図書館へ行く必要もなかったから。さて、医者がもしこの手記を読んだら、ここですぐにピンと来ると思う。なぜなら、私にはもう一つ典型的な症状が始まっていたからだ。

 実を言うとその前年ごろから気になっていたのだが、急に視力が落ちてきていたのだ。もともと近視だった私は、その前年ごろから悪化して、眼鏡が合わなくなっていた。2014年の3月には眼鏡を新調して、「桜の季節に間に合って良かった」などと呑気なことを言っていたのを覚えているのだが、これはもうかなり病が進行していた証拠だ。しかも視力が落ちるという症状は、当時ブームだったセブンイレブンのドーナツを通勤途中で食べた日に限って顕著に現れた。

 そしてついに、自分の症状をネット検索して確信した。そう、「糖尿病」である。私は新調が165センチ、体重は55キロほどで、決してデブではない。酒はよく飲んでいたが、食事は自炊だし、どちらかといえば健康的な身体だった。だからものすごく意外だったが、自分の今の体調と、糖尿病が進行すると現れる症状とがみごとに一致していた。そしてショックだったのは、糖尿病は多く自覚症状がないまま進行し、それが現れたときはもう「末期である」ということだった。念のため薬局で検査キットを購入して自分で尿検査をしてみたところ、糖が検出されると青や赤に変わるはずの試験紙がみごとに真っ黒に変色した。妊娠判定でハートマークが出たときと同じくらい、かどうか私は男だからわからないけど、たぶんそれくらいの衝撃を受けた。

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