第34話 SS 上原麻里花の下着事情(カラーイラスト付き)

 今日の放課後は前に遠山と映画を観に来たショッピングモールで買い物をする為に美香と高井さんと私の三人で向かっている。


「麻里花、アンタこの前もブラのサイズが合わなくなったって言ってなかった?」


 私は中学生の時から同級生の他の女子よりも胸のサイズは大きかった。高校に入学してからも私の胸は大きくなる一方で、買ってもサイズがすぐに合わなくなってしまいブラジャーを購入するお金もバカにならなかった。

 とは言っても下着を購入するお金は親に出して貰ってるけど。


「そうなんだけど……私だって好きで大きくなってるわけじゃないし……」


「柚実、ちょっと今の聞いた? 麻里花ってば好きで小さくしてるわけじゃない私たちに喧嘩売ってるよね?」


 確かに美香も高井さんもそれほど大きくはない。高井さんのサイズは普通くらい? 美香は……ぺったんこだけど身長も150cmくらいで小柄だしバランス的にはちょうどいいサイズじゃないかな? うん。


「え? 私は……寄せれば挟めるくらいはある。たぶん」


 高井さん……挟めるとは? いったい何を?


「柚実……いったいナニを挟むつもり?」


 美香が言うナニの正体は私も知りたい。


「バナナとか?」


「柚実……ば、バナナ挟んだの?」


 高井さんは無言で頷いた。

 高井さんはバナナ挟んでみた事あるんだ……。


「ちょっと興味があって前に試してみた」


 高井さん大人しそうで結構、大胆なことしてるんだ。私はまた高井さんの新たな一面を知った。


「そ、そう……柚実の裏の顔を垣間見させて貰ったわ」


 さすがの美香も少し引き気味だ。


 そんな男子に聞かせられないような女子トークを繰り広げながら歩いていると時間が過ぎるのも忘れ、あっという間に目的のランジェリーショップに到着した。


「麻里花、とりあえずサイズ測ってもらいなさいよ。アンタのサイズじゃ選べるブラが限定されちゃうよ」


 そう、バストサイズが大きいと種類によってサイズが無かったりする。せっかく可愛いブラジャーを見つけてもサイズが無かったりする事が多い。だからシッカリ測って自分のサイズを知っておく事が必要だ。




「麻里花、それでサイズはどうだった?」


 店員さんに測ってもらい、試着室を出ると美香が待ってましたと詰め寄ってきた。


「前はD70だったけど今はE70だって」


 どうりで今のブラがキツいと思ったらカップサイズが一つ上がっていた。


「Eカップ⁉︎ ほんと麻里花の胸はデカくなる一方ね。どこまで大きくなるのか逆に楽しみになってきた」


 人の胸の大きさで楽しまれてもそれはそれで困る。


「大きければ大きいなりに大変なんだからね」


 肩は凝るし、可愛いブラは無いし、ジロジロ見られるし。良い事ばかりではない。と言うよりデメリットしか無いような気がする。


「その点、私たちはその苦労は分からないわよね」


 美香が高井さんの胸に目を向け同意を求めている。


「私はもう少し大きくなりたいなとは思ってる」


 高井さんは僅かに胸の膨らみがあるくらいで大きさを気にはしているようだ。


「柚実はバストサイズいくつ?」


「前に測った時は65Cだった」


 高井さんは華奢な身体なのでそれほどカップサイズも大きく見えない。でも、きっと綺麗な胸の形をしていそう。

 美乳というやつに違いない。


「え⁉︎ 柚実意外と大きい……」


 それを聞いた美香が黙ってしまう。高井さんが自分と同じくらいのサイズだと思っていたのでショックを受けたのかもしれない。


「女は胸の大きさじゃない」


 高井さんにポンと肩を叩かれ慰められる美香。


「そ、そうよね! デカけりゃいいってもんでもないわよね! 小さい方がデザイン可愛いしね!」


 なんだか私がディスられてる気がするんですけど?


「ほら、これなんて麻里花にピッタリじゃない?」


 先ほどから店内で物色していた美香が一着の下着のセットを持ってきた。


 ――!


「ち、ちょっと! 何よこれ? 大事な所がスケスケじゃない?」


 美香が持ってきた下着の上下セットは気持ち程度の布しかないのに、そこがレース生地になっていて大事なところを全く隠していないデザインだった。


「これはエロい身体してる麻里花に凄く似合うと思うわ」


 美香の私に対するイメージがエロい身体だったとは悲しい。


「エロい身体とか言われても全然嬉しくない!」


「エロい身体をしている上原さんが羨ましい」


 高井さんまで⁉︎


「これ着て遠山を誘惑すれば一発じゃない?」


 私がスキンシップをしても全く動じない遠山の事を思い浮かべた。


「そ、そうかな? これならイケるかな?」


「イケるイケる。麻里花ならイチコロだよ! せっかくエロい身体してるんだから使わなきゃ損だよ!」


 そ、そうよね……これは美香には着れないランジェリーだわ。高井さんも似合わないはず。


 私は悩みに悩んだ末に結論を出した。


 私はこのスケスケのランジェリーを――


「買ってくる!」


「か、買うんだ⁉︎  麻里花?」

「買うんだ! 上原さん?」


 美香と高井さんの驚きの声が被ったのを私はランジェリーを握り締めレジに向かいながら聞いていた。


 でも……よく考えたらその下着姿を見せるシチュエーションってどうすれば作れるのだろう?


 そして、その下着を使ったかはまた別のお話で。



おしまい



―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――


ヤマモトタケシです。


上原麻里花のイラストを描いてたら急に思い付いてショートショートを書きました。

とある女子高生の日常の1シーンと想定しています。


上原麻里花のちょっぴりエッチなイラストを描きました。

イラストは近況ノートからご覧ください。

https://kakuyomu.jp/users/t_yamamoto777/news/16816452218722968523

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