恋心と夢と太一郎の秘密
第6話 恋心の家族の秘密と太一郎の家族の秘密
突然.....恋心ちゃんの同級生と言う少女からこの様に言われた。
新島夢と別れて下さい。そして新島恋心と付き合って下さい、と。
俺はその少女の暴言に断りを入れた。
少女の名前は山代幸奈(やましろゆきな)というらしいが.....俺に対してため口だったのも気に入らないのもあり俺は断りを入れる。
「.....何故あんな事を?」
その様に小さく呟きながら.....授業を受けていた。
それから.....俺は外を眺め見る。
そして夢をチラッと見た。
この事は.....夢に知られる訳にはいかないというかあの少女を会わせてはならない気がする。
「.....さて、どうっすかな」
そしてまた小さく呟きながら。
授業を真面目に受ける。
そうしているとあっという間に.....放課後になり。
それから俺は夢と共に帰宅しようと門まで向かうと.....そこに山代が居た.....。
☆
「.....山代。何の用だ」
「考えは纏まりましたか」
「纏まりましたもクソも無いんだが。俺は絶対に考えを変えない。そもそも何でお前はここまで拘るんだ」
俺は夢に少しだけ山代の事を解説してから少しだけ待ってもらい。
山代に向いていた。
そんな山代は.....俺に不愉快そうな目をする。
だがそれは直ぐに消え俺に対して唇を噛み.....胸に手を添える。
「.....私は.....恋心が好きです。だから幸せになってほしいんです」
「.....!」
「.....だからお願いします。お願いですから.....」
「例えそうであっても俺は別れる気は無い。申し訳無いけど」
「.....ここまでお願いをしているのに.....」
駄目だ。
君の意見は分かる。
だけど俺は夢と別れる気は無い。
と俺は告げて.....そして山代にこれで話は終わりか。
と言ってから歩き出した。
「.....女の子の必死のお願いすらも聞かないんですね。貴方」
「.....どうあれ俺は夢と別れる気は無い。御免な。.....お前の願いを踏みにじるのは気が引けるけど」
「.....そうですか。.....私は諦めないですから。絶対に」
そして文句を言いながらそのまま去って行った。
俺はその背中を見送りながら.....夢の元に行く。
そんな夢は不安そうに俺を見ていた。
どんな話だったの?、と、だ。
「.....隠すつもりは無いんだが.....お前と別れろって言ってきているんだ」
「.....え?それって.....その、あの子が貴方を好きだから?」
「違う。.....どうも気に入らないらしい」
「.....そうなんだ.....」
不安そうな目をする夢。
御免な、それがどの様な原因かは話せないが。
隠すつもりは無いが.....姉妹間の絆が揺らいでしまう。
それだけは絶対に避けたい。
だから.....俺は孤独で頑張っていくつもりだ。
「私と別れないよね?太一郎」
「.....俺は死んでもお前を手放したりしないから大丈夫。こんなに愛しているから」
「.....有難う。太一郎」
「.....」
夢の涙を拭ってやった。
それから.....俺は山代の去って行った方向を見てから。
夢に向いてから、行こうか、と言ってから歩き出す。
そして.....そのまま家に帰った。
☆
「義兄さん」
「.....何だ。恋心ちゃん」
「私の友人が迷惑を掛けています。すいません♪」
「.....そう思うなら俺と秘密の協定を結ぶのを止めたらどうだ」
「それは嫌です。私は貴方が好きですから」
俺の部屋に来てからその様に話す恋心ちゃん。
ワザとなのか知らないが風呂に入って艶めかしい感じで俺を見ている。
へそを見せたりとか、だ。
俺は.....恋心ちゃんを見つめる。
「このまま何かします?アハハ」
「.....言ったかもしれないが俺はお前に揺るがない。確かにいきなりでビックリはするが」
「無駄ですよ。貴方はきっと揺らぎますから。私の魅力に」
「.....」
そうそう。
デートの話ですけど.....、と俺に向く恋心ちゃん。
それからニマァッと笑顔を見せる。
そして.....俺に向いてくる。
「私は義兄さんと下着を選びたいです」
「.....駄目だ。俺は.....従わない。それに.....そんな事をするなら破棄だ」
「.....そうですか?良いじゃ無いですか」
「.....」
俺は立ち上がる。
それから恋心ちゃんを見下ろした。
恋心ちゃんは俺に、あら?その気になりました?、と笑顔だ。
その事に.....俺は言う。
何を言ったかといえば.....恋心ちゃんの過去を、だ。
これを何処で知ったかって?
夢に聞いた。
見開く恋心ちゃん。
「え」
「.....正直びっくりなんだが。お前は.....夢と同じ母親じゃ無いんだな」
「.....それはお姉ちゃんから聞いたんですね。.....でもだからどうだって言うんですか?私を止められないですよ」
「.....俺としては正直に言って.....お前を助けたいと思った」
「え?」
恋心ちゃんは予想外の言葉だったのだろう。
え?、と目をパチクリする。
それから.....俺は外を見る。
そして俺は告白した。
「俺は父親の顔を知らない」
「.....?」
「.....俺も同じ様な境遇を辿っている。まともな家族じゃ無いんだ」
「.....」
「.....父親は.....俺を、母さんを捨てた。そして出て行った。何というか女との遊び人だった様だが。.....だから俺はお前の気持ちが大体分かる」
恋心ちゃんは目をパチクリする。
それから.....俺は悲しげな顔で恋心ちゃんを見た。
そして言葉を発する。
俺はお前の気持ちも分かりたい、と、だ。
「.....分かるわけないですよ?残念ですけど。.....あーあ。全く。人の過去をそんなに簡単に話すなんてお姉ちゃんも最低ですねぇ」
「.....」
「それに私はただ単に貴方が好きなだけですから。.....もう無理なんですよ」
それから笑顔で去って行った。
俺はそんな恋心ちゃんを追わずにそのまま自室のベッドに腰掛ける。
そうしてから顎に手を添えた。
無理、か。
どうすっか、と思うが.....。
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