第5話 今直ぐに夢と別れて下さい
藪雨太一郎。
俺の名前である。
そんな俺、太一郎にある日、母親の再婚で姉妹の義妹が出来た。
それから家は藪雨一家になり。
俺達は幸せに暮らして.....いなかった。
俺、太一郎は実は姉妹の姉と付き合っている。
その為、色々あるのだが驚きもいっぱいだった。
しかもとんでもない事件も起こる。
それは.....姉妹のうちの妹の方が俺と付き合ったままで良いので秘密の恋人になってほしいと言い出したのだ。
その妹は.....変態だった。
つまり、エッチな事を俺にしてきて惑わそうとする。
俺は.....その事は絶対に駄目だと思い。
言うのだが.....妹に屈服する形になっている。
その理由として俺にエッチな事をされたとバラしてやる、と強く言っているのだ。
しかもさっき.....アドレスを交換したメッセージから。
(因みに学校でもバラしますよ。下手な真似は出来ませんね♡)
とメッセージが来た。
俺は盛大に溜息を吐きながら.....今に至っている。
今俺は.....そのなかなかの妹の姉の夢という付き合っている為に夢の手作りのご飯を食べている。
夢は料理が上手なのだ。
思いながらメッセージの事もありスマホをポチポチ弄っていると夢に怒られた。
「もー。お行儀が悪いよ。太一郎」
「.....そ、そうだな。すまん」
「でね、今度デートまたしよ?一緒に」
「そうだな。それは良い考えだな」
「何時行こうか。今度の日曜日とか?」
そうだな、それで良いんじゃないかな。
と俺は笑みを浮かべる。
すると夢は、やったじゃあ今度行こうね、と笑顔を見せた。
俺はその姿を見ながら.....柔和になりつつ。
目の前の手作りの料理を食べている.....とその時だった。
ピコン
(義兄さん。私とデートしましょう。今度)
「.....夢。ちょっと食堂に行ってる飛鳥にメッセージを飛ばして良いか」
「ん?良いよ。でも長時間は行儀が悪いよ」
「わ、分かった」
そして俺は夢に頷いてメッセージを飛ばす。
デートはしない。お前とは、と、だ。
すると.....、分かりました。じゃあデートじゃ無くても良いですから私に付き合って下さい、とメッセージが来た。
俺はまた盛大に溜息を吐きながら.....メッセージを読む。
(私の義兄さんなんですから。だから当たり前ですよね)
(あくまで言うが俺はお前とは付き合わない。そしてお前の為に動くだけだ)
(分かりました。アハハ)
(.....本当に分かってるよな?お前)
(当然です)
デートなんかするもんか。
コイツとは、だ。
何をされるかも分からないし何をしてくるかも分からない。
とにかく今は.....コイツを正常に戻す。
その使命で動かなければ。
と思いながら俺はスマホを仕舞ってから。
夢を見る。
「.....ごめんな。夢」
「良いよ。アハハ」
「.....でも美味しいな。この料理」
「私が手作りしたからね。1から全部」
「マジかよお前.....時間掛かったろ?」
でも太一郎の為だから。
と赤面する夢。
俺は真っ赤になりながら.....、そ。そうか、と返事をした。
それから.....俯く。
「太一郎。愛してる」
「.....改めて言うな。恥ずかしい」
「私は太一郎が好きだもん」
「分かってる。俺もお前が好きだ」
とか言っていると。
クラスメイトの男子が死線を向けていた。
スコップを取り出している奴とか金属バットを持つ奴まで。
俺は苦笑いで夢を見る。
夢は、アハハ。楽しいね、と口角を上げた笑顔だった。
☆
昼飯を終えてから。
トイレに向かう為に俺は外に出た。
それからトイレに入って出て来るとそこに.....左目を栗色の髪の毛で隠した様な.....直毛でサラサラしてそうな髪形をした少女が立って俺を見ていた。
身長はそんなに無い。
だが中肉中背で.....美少女だ。
だがまるで.....その、友達が余り居なさそうな雰囲気だ。
と。それは良い。
何だこのボーッとした様なコイツは、と思いながら見る。
どうやら1年坊主の様だ。
何故なら.....赤のラインの入った上履きを履いている。
俺は3年生で緑ライン。
そして2年生は青ライン。
つまり赤ラインは1年坊主という事だ。
「えっと、何か俺に用か?」
「.....新島夢という女と付き合っているって聞いたけど。貴方が。それは本当なのかを聞きに来た」
「いやいやお前。俺は3年だぞ。敬語を使えよ」
「そんな事は今はどうでも良い。私は.....貴方が新島夢という女と付き合うのが嫌なの。今直ぐ別れて新島恋心と付き合って。.....私の大切な親友と」
「.....は?」
私は新島夢が嫌い。
だから今直ぐに別れて。
そして私の.....大切な親友と付き合って。
それも今直ぐに、と。
俺は見開きながら.....その女の子を見る。
夢と敵対するその女の子を、だ。
また新たな火種が燻っている。
そんな気がした。
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