第2話 何も知らない姉、禁断を犯す妹

俺の名前は藪雨太一郎。

ある日、俺に18歳で同い年で同じ学年で同じ高校の彼女、夢という少女.....が出来たのだがその彼女の親が俺の親と偶然に再婚。

俺と彼女とその彼女の妹の恋心ちゃんが家に来て.....そして今に至っている。

その、何というか。


いきなり恋心ちゃんに俺に夢という彼女が居るにも関わらずキスをされた。

そして恋心ちゃんの胸に俺は手を押し付けられ。

更にキスで舌まで入れられた。

その場で告白までされ。


俺はただ単に驚愕するしか無く.....赤面でどうしたら良いのか分からなくなってしまい.....今に至っている。


俺は今、心臓をバクバクさせながら夢の荷造り解きを手伝っていた。

勿論、恋心ちゃんにされた事の全ては夢にした事が無い。

これがもし夢に全てがバレたら.....と思ってしまう。

思いながら.....チラ見で夢を見る。

夢はニコニコしながら俺を見ていた。


「有難う!手伝ってくれて」


「.....あ、ああ。うん」


「やっぱりちょっと暑くなるね。荷造りを解いたりして行動すると。アハハ」


「そうだな。.....うん」


暑いのは別の理由だ。

マジに心臓がバクバクする。

これは参ったな、と思ってしまう。


どうすれば良いのだ、とも、だ。

彼女は別れなくて良い。でも愛してほしい。

と望んでいたが.....。


「どうしたの?太一郎」


「.....な、何でもない」


「それにしても不思議だよね。まさか太一郎と一緒になれるなんて。再婚相手がねー。不思議な運命」


「.....そうだな。確かに」


俺は曖昧に笑みを浮かべる。

それから.....苦笑いを浮かべる。

やっぱりこの関係は駄目だ、絶対に。

思いながら俺は横の壁を見てから。

絶対に言ってやる、と思いつつ前を見る。


「太一郎?」


「な、何だ!?」


「汗が出てるよ?何でそんなに汗かいてるの?」


「荷造りを解いたら汗ぐらい出るだろ。そういう事だ」


「.....あー。成る程ね!じゃあ私のハンカチ使う?」


ハンカチを取り出して俺の汗を拭き始める夢。

俺は本当に申し訳無い気持ちでいっぱいだった。

夢にこんな事を隠しながら.....汗まで拭かせて.....だ。


しかしそれでも言えない。

もし言ってしまえば何をされるかも分からない。

俺は息を整えながら夢に向く。


「.....ちょっと汗っかきなんだ。俺。御免な。汚いもの拭かせて」


「彼氏だから良いんだよ?アハハ」


「.....」


『バレたら大変ですね。アハハ。でも秘密ですよ?』


ニヤッとしている恋心ちゃんの顔を思い出す。

これはどうしたら良いのだろうか。

こんな状況に陥った男子って居るのか?日本に。


そもそも有り得ないし.....彼女の妹と禁断の恋って.....。

でも俺はこの恋は絶対に駄目だと思っている。

だから.....言おう恋心ちゃんに。


「俺、コンビニ行って来るよ。何か買って来るものとかある?」


「あ、じゃあヨーグルト食べたい。お金出すよ」


「いや、いい。何時ものイチゴ味で良いか」


「うんうん。分かってらっしゃる。アハハ。気を付けてね。私はまだもうちょい片付けるから」


「.....ああ」


そして俺は扉を閉めて部屋を出る。

それから唇を噛んで隣の部屋を見てから。

前を歩き出そうとした。

その時だ。

真正面から声がした。


「義兄さん」


「.....恋心ちゃん.....」


「何処に行くんですか?私も一緒に行って良いですか」


「.....丁度良かった。今からファミレスに行こう。近所の公園でも良いけど」


「.....え?何でですか?」


この子、ワザとすっとぼけているのか。

それともマジにこんな感じなのか。

俺は困惑しながら.....見る。

するとハッとしてからニマァと笑った。

私との関係ですね?、と、だ。


「.....言いましたよね。私はおっぱいを、下半身を触られたってお姉ちゃんに言いますって。この関係を破るなら」


「.....」


「嫌ですよね?じゃあ関係を保ちましょう♪」


「.....俺としては.....この関係はマズイと思う。絶対に」


そうこれ以上は聞かれたらマズイと思いつつ言いながら。

俺は階段をゆっくり降りて行く。

その背後から、義兄さん。恥じらっているのとっても可愛いです、と声がした。


俺はただ.....振り返ることが出来なかった。

恐ろしいとかじゃ無い。

ただ単に.....夢に配慮したから、だ。


女って怖すぎる。

その様に考えながら.....何も言えずにそのままコンビニに向かった。

そして.....俺はイチゴ味のヨーグルトと甘い紅茶。

それから.....恋心ちゃんの為にと思い、ジュースを買った。

そうしてから家に帰る。



イチゴ味のヨーグルトを渡してそしてジュースをそれぞれ渡してから.....高末さんは母さんと買い物に行った様で静かなリビングで静かに俺は考える。

今の状況の全てを、である。

マジにこの状況.....カオスである。


先ず俺は不倫でも構わないというエッチな妹の少女に恋をされている。

俺には姉の彼女が居るのに、だ。

なのにその姉妹と一緒に暮らしている。

俺はどうすれば良いのだ。


このカオスな状況を打開するには.....。

と思いながら居ると。

リビングのドアが開く。

そして.....俺は汗を吹き出した。


「義兄さん。今は一人ですか?.....エッチな事をしませんか?」


貴方も.....随分と我慢していますよね?

舌舐めずりをする恋心ちゃんに俺は.....冷や汗を吹き出す。

今はお姉ちゃん勉強で忙しいからチャンスです。

と.....俺に紅潮した眼差しを向けた。

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