自分はシーンの長さに驚きました。だって、六話までは、イヤなことがあった帰り道の出来事を細かく描写していますから。「ここまで書き込むの?」と思いながら読みました。主人公の心情、彼との出会いが読者に伝われば十分なので手短に済ませようとすれば、もっとスマートに書けます。しかし作者はていねいに書いています。描写に力をいれて、物語の進みが遅いかと思いきや、そんなことはありません。読みやすいです。この作品の読ませる力は尋常じゃありません。