第30話 おはよー☆とおきて♪を科学する
それは世紀の大発明になるはずだった。
『おはよー☆おきて♪システム』──地球上全ての人間が毎朝決まった時間に起床できるようにするシステム。地球の巨大な地場を利用することにより、如何なる受信機器を介することなく、全人類の脳に特定の信号が直接送られることでそれは実現された。
初めは誰もが喜んだ。
「これで寝坊する心配なはないぞ!」
「徹夜でゲームができる!」
しかしすぐに、このシステムには欠陥があることが露呈された。
ある種の信号を脳に直接送り込まれ続けた結果、人々は錐体外路に支障を来し本人の意思とは関係なく無意味な言葉の羅列を放つようになった。
「あばばばばばばば」
「あばばばばばばば」
その危険性に気付いた科学者たちはすぐにシステムを停止させたが、時すでにお寿司。このとき地球上に存在した全ての人類は皆、同じ後遺症を背負うこととなった。
「あばばばばばばば」
「あばばばばばばば」
──それから数十年後。
この凄惨な出来事の後に生まれ、あばばば症候群の影響を受けることなく育った世代が大人になる頃、この物語は始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます