第29話 コットンカラー

 ママがボクを殺した。

 ボクは庭の土に埋められた。ボクの頭を鉢にして、ママはコットンの種を植えた。

 ボクは、動かなくなった眼球でそれをずっと見ていた。


「おはよー☆ おきて♪」


 毎朝ママが、ボクに水をやりにくる。

 眼球はすぐに腐り落ちて何も見えなくなったけど、ママの声は頭の骨に直接響いていつまでもボクに届いた。


「おはよー☆ おきて♪」


 ボクの目があった場所から、コットンの芽が生えた。

 ボクは、コットンの一部になった。

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