第27話 乙女ゲーム『おはよー☆おきて♪と5人のイケメン』

 私、姫野ぷり子。ごく普通の女子高生!

 ある日ママが突然再婚して、新しいパパを連れてきた!?

 新しいパパには5人のイケメンな息子がいて、いきなり一緒に生活することになっちゃって……私、これから一体どうなっちゃうのー?!




 目を開けると、すぐ目の前にイケメンの顔があった。

 どどど、どうして私の部屋にイケメンが?!


「おはよー☆ おきて♪」


 無邪気なイケメンが微笑む。

 状況を把握した私は悲鳴を上げた。


「ぎにゃぁあああっ! 勝手に入ってこないでよもーっ!」


「どうして? 僕たち家族でしょ?」


 無邪気なイケメンが不思議そうに首を傾げている。


「そうだけどっ、女の子の部屋には勝手に入ったらダメーっ!」




「1分5秒の遅刻ですよ、ぷり子さん」


 リビングに行くと、意地悪なイケメンが待ち構えていた。


「ご、ごめんなさい……」


「貴女も今日から宇喜田財閥の一員なのですから、それに相応しい立ち居振舞いをしていただかないと」


「はい……」


「これから厳しく躾ていきますから、そのつもりで」


 意地悪なイケメンが眼鏡をくいっと持ち上げると、レンズがキラリと光った。


「まぁまぁ、そんなのいつでもいいじゃんか! 


 重苦しい空気を壊すように、チャラいイケメンが割って入る。


「それより今日は俺とどっか遊びに行こうぜ! 親睦も兼ねてさ!」


 チャラいイケメンは馴れ馴れしい感じで私に話しかけてきた。


「……貴方にも躾が必要なようですね?」


「お前ら朝から五月蝿いぞ。朝メシできたからとっとと食え」


 そこへ無愛想なイケメンが料理を運んでくる。


「わぁいっ、いただきまーす!」


 さっきの無邪気なイケメンが席に着いてフォークを持った。


「わんわんっ!」


 そしてわんこなイケメンが吠える。


「あらあら、みんな仲良くしていけそうでママ安心だわ」


 リビングにママと新しいパパが顔を出した。


「ぱぱトままハコレカラ新婚旅行ニ行ッテクルデース!」


「留守の間よろしくね☆」


 言うが早いか、ママと新しいパパはキャリーバッグを持って家を出ていく。

 えっ、ママ待って! 置いて行かないで! 私をこの家に独りにしないでっ!

 呆然と見送る私。


 ──こうして、私と5人のイケメンとの共同生活が始まったのだった。

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