四月二十五日(木)

今日の関さんは、とても面白かった。馬鹿にする意図は全くないんだけれど、本当に面白かった。

どこから書いたらいいんだろ。まず、今日の英語の題材が「クラシック音楽における偉人について」だったんだけど、アイスブレイクとして知っているクラシック音楽について隣の席の人と話してみよう、となった。そこで、関さんが「私はバッハの運命が好き」と言っていたから、「運命はバッハじゃなくてヴェートーベンだよ」と訂正したんだ。そしたら関さんはちょっと下を向いて、間違えたことを恥ずかしそうにしていたから、「クラシックの人たちって、ごっちゃになりやすいよね。僕も運命好きだよ。」ってちょっとフォローした。これ以上彼女の消え入りそうな声が小さくなってしまったら、もう僕には聞き取れないから。そしたら、赤くなった顔を上げて、「如月君は詳しいんだね、すごいね」ってはにかんで笑った。声は、比較的聞き取りやすかった。

それで、そのあと教科書の本文を一人一文ずつ読み上げたんだけど、平和主義者の柊がChopin(ショパン)のことを「チョピン」と読み上げた。そしたら、クラス中に笑いが起きて、関さんも笑ってた。僕も笑った。けど、僕からしたら関さんの間違いと柊の間違いに大した差はないから、「関さんもバッハとヴェートーベン混同してたよね、なんだか、二人ともかわいい間違え方をしてるよね」って言ったら、関さんはさっきよりももっと顔を真っ赤にして、下を向いて何も話さなくなってしまった。本当に関さんの顔が真っ赤で、リンゴみたいに真っ赤で、僕の一言で顔色がそんなに変わってしまう関さんが、本当に面白かったんだ。

でも、後から考えると、そうやって女の子をからかうのはよくないことなのかなともい思った。これで関さんが話してくれなくなったら困る。ちょっと反省だな、



今日は楽しかったな。明日は金曜日。一週間最後の日。頑張ろう。

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