第12話



 基本単位が常識外れの御殿内を引き戻りながら、上がる時よりも格段に恐ろしい天空階段を自動で下ろされる時が来た。

 行きは着地感がない状態で上昇する我が身が恐ろしくて、一度も振り返ってみなかったが、天空の路を出た瞬間、それで良かったのだと確信した。大階段を見上げた時は段数に疲労感があったものの、高さに関しては漠然とした思いしか抱いていなかったらしい。

 見上げるのと見下ろすのとでは雲泥の差があった。天空の路へ引き返す時、周囲の仄かな灯りに照らされて、風雅の間を含む御陵の塔が影のように見えた。 

 屋外からの朧げな全容。それを今実際に中から見下ろしているのかという恐怖感。この高さを鬼火に乗って、身一つで上昇したのかと、足が震えそうになる。天輪を一周したわけではなかったが、どうやら塔は少なくとも、山のようなこの御殿の中核に位置しているようだと思われた。 

 暗闇のオブラートも取り去られ、今は光の中で高低差がありありと確認できてしまう。この度も彼女の精神状態は気遣われることもない。男は彼女を実に滑らかに下ろすつもりだ。乗ったが最後、終点まで止まれないジェットコースターへようこそ。

 平行移動から下に傾いた瞬間、莢子は絶叫も上げられずに、またも目一杯男にしがみ付いて固く目を瞑った。瞼を閉じる間際、家の階段にしては余りに遠く感じられる床を見た気がした。力が抜けてへたり込んでしまいそうな身体は、だが意外にも、そっと添えられているだけのような男の腕にしっかりと支えられていた。

 事ある毎に縋り付いてくる彼女が偏に愛おしい。男には莢子の恐怖が微塵も分かっていない。これからはこの密着した距離感が当然となり、終生続いて行くのだと、感涙したいくらいだった。

 だが、男の夢のような時間はあっと言う間に終わってしまう。階下では老婆が待っていた。

 下に着いても莢子の硬直した体は解けなくて、おまけに目も瞑ったままだったので、再び平行移動を感じてから数秒は、同じ体勢を取り続けてしまった。

 その為もあったのだろうか、彼女はもうどこであっても、すっかり自分で歩かなくても良くなっていた。男が彼女ごと引き続き運んで行くからだ。二人が過ぎると、低頭していた老婆は側女の前で列に加わり、後ろから付き従ってきた。

 入れ代わるように側女が前に出て、風雅の間の幕を開ける。莢子の目はようやく開いた。

 激しい動悸。力んだ体はまだ解けない。確か、この幕を潜って真っ直ぐに行ったら、寝ていた部屋があったかしら……。脱力気味な思考に気を取られていた彼女の腰を引きながら、通路に出た男は左に折れてしまった。

 すっかり部屋に戻って布団に倒れ込みたい気になっていた莢子は、寝所に戻れないことで疲労感が多少増した。そうか、これから民に披露されるんだったっけ、と思い出す。

 披露っ。その言葉の後に、不穏な単語が続いていた気がし始めた。

 すると、途端に高所による影響ではない動揺に見舞われて、何時まで経っても男の着物を握りしめる手が緩まない。却って掴み直した彼女は、進む先の道順すら頭に入らなくなっていた。

 二人が進む道は直ぐに二股に分かれて、彼らはそれを右に入る。真っ直ぐな通路が奥へと伸びている。この通路突き当りの床に、ぽっかりと口を開けた四角い穴が見えた。通路の幅の右側に寄ったその穴の周囲にはコの字の欄干が設けられている。どうやら階段らしい。

 どこもかしこも規格外の大きさでしつえられた御殿にあって、成程今回もやはり無駄に大きいようだ。その幅は五メートル位だろうか。大階段であった「木階登廊きざはしとうろう」は四メートル位だったから、先程のものよりも少しだけ横幅が広い。とは言え、あの恐ろしい高低差と比べれば、莢子には胸を撫で下ろせるくらい極普通の階段に見えてしまった。

 階段の入り口に立って見下ろせば、中程に踊り場が見えた。学校の階段を見ているようなそこは、折り返し部十メートルとなる長さを実感できるに違いない。

 結局ここでも男に介助されるようにして段を下りたのだが、それでも先程とは違い、莢子は宝塚歌劇場にあるような、長い階段を下りて行くような気分がしていた。

 ところがにわかに、ある異変に気が付いた。踊り場を折れると、今し方下りてきた階段の裏側が見える。ふと目が行っただけなのだが、はっきりとしない違和感を感じた。何かが変だと思ったが、答えには至らなかった。

 視線を戻し見えてきたのは、「天領閣」の次の階層、「天空領」と呼ばれる領域だ。正しこの領域には二階層あって、今下りようとしている層は「くうかい」と呼ばれている。

 莢子はこの階の床の色味が変わっていることには、はっきりと気が付いた。今までは天空の路以外、通路を含め全面畳敷きだった。ここでは畳を挟む形で、両脇が板敷となっている。

 とは言え、主人の進む道は通路だろうが部屋だろうが、この階でも畳の上に変わりはない。老婆も二人の側女もここを歩くことが許可されている。けれどもっと下級の者達は、主人の後に付いていようがいなかろうが、板敷の上を渡るようになっていた。

 二つに折れた階段の先を真っ直ぐに進んでいく。どうやら、再び御領の中心に向かって進んでいるに違いない。上層とは違い、同じ位置にある廊下が長いようである。

 通路の突き当りは、幅の広いY字の二股になっていた。左右対称の分かれ道だ。股の部分は手前に飛び出した角になっている。つまり御殿の基調である八角形の一角が現れているわけなのだが、莢子はまだ良く分かっていない。

 その角は壁の中央に入った線となり、光の加減で左右の色味を若干変えている。光源がどちらかに寄っていたならば、あるいは角度がもっと鋭ければ、明暗の差は濃かっただろう。

 突き当りの分かれ道を、今度は右に曲がる。つまり上の階に重ねてみれば、莢子の居た部屋から八角に沿って離れて行っていることになる。

 右の道の先には、またもやY字の分岐点が。こちらのY字は左右対称ではなく、今は右側の方がより外向きに倒れている。一行はそれを今度は左に折れて行く。中心の正八角形の部屋をぐるりと回っているということだ。

 この階層の中央となる部屋は上層の風雅の間とは違って、空間自体の規模も小さく二分の一程の面積しかない。ここは「秋の庭」と呼ばれていた。

 一行は再び現れた分岐をもう一度左に折れた。次に現れる分岐を更に左に折れれば、莢子が元居た部屋とは、丁度対称の位置となる。だが、この分岐は右に折れた。

 ここに来て流石に莢子も薄々感じ始めていた。常に左側にある壁が、多角形をしているのではないか、と。そしてその壁に囲まれた空間はこの階の中心であり、建物の外側へと伸びる通路は、この多角形を一周できる廊下から全て伸びているのではないか、と。

 莢子が考えに耽っていると、何時ものように側女が素早く、かつ足音もなく前に出てきた。右に折れたその先に続く通路の半ばに、二人の控女と呼ばれる女人が正座で待機しているのが見えた。

 彼女らは互いに離れて座っている。その間に入り口があるようだと、莢子にも分かってきた。ここまで注視してこなかったが、過ぎてきた通路の右側は、全て別の部屋だったのかもしれない。

 二人は主人たちが姿を現すと腰を浮かし、膝で歩きながら互いに寄り合い始めた。取っ手に手を掛けられる近さにまで進むと、やはり戸口であった板を左右から引き開けた。

 だからと言って直ぐに中が見えるわけではない、戸の後ろにはやはり帳が下りている。すると今度は主人たちより前に出ていた二人組の側女が、一足先に中へと入り、それを割いた。

 この連携により、主人達は一度も足止めを食うことなく円滑に歩みを進めていく。入室したのは丁度御殿の主の室である「一の」の真下の室、位置だけで言えば莢子の寝所とは正反対となる、「一のくう」である。

 入室したなり彼女の目に飛び込んできたのは、巨大な黒い壁だった。そそり立つようなその高さ。何度も再来する規模の大きさに、後幾度呆れたら足りるのだろうか。

 それは塗りが施された上質な舞台なのだと、今はまだ分かるはずもない。不思議なことに、公演が終わった後に引かれた緞帳どんちょうの如き赤い大幕が、壇の直ぐ向こう側に掛けられていた。

 黒い壁にしか見えない壇には、はめ込み式で階段が取り付けられている。幾重かに折れて上って行く姿はまるで、大規模な工場の外部に取り付けられた九十九つづら折り階段のようだ。違うのは、外側に安全柵がないことだろう。

 とにかく口を開けるしかない莢子は、構造の問題から落下の恐怖を想像する間もなく、男の介助によってまたもエスカレーターのように滑り上がっていく。高くなるにつれ多少の恐怖はあったものの、何の苦もなく美しく塗られた台の天辺に到達した。

 壇上にも塗りの施された板が敷かれている。また、外周に沿って膝位置ほどの低い欄干が設けられている。緩く波打つ緞帳は建物四階程の高さがある天井から下がっていた。

 壇上には、親王台とそっくりな台が二つ置かれている。その上にはもちろん畳が敷いてあり、多少高さのあるその台に乗る為の踏み台も付いている。男はその内の左側で莢子を降ろすと、側女が出て来て彼女の手を取り、台上の座布団に腰を下ろすよう促した。

 座った主人達の衣の裾を美しく整え終えると、側女らは背後の階段へと戻っていく。そこから二段下がった所に設けられた小さな退避所で、老婆もろとも控えておくようだ。そちらに行ってしまうと、壇上からはもう見えない。逆に、何時から共に連れ立っていたのか、一人の男の姿が壇上の脇にあった。

 親王台に乗ると、座っていても目線は低い欄干よりも倍以上の高さになる。けれど天井から床にまで届く巨大な帳により視界が閉ざされていたので、向こう側に何があるのかは全く見えなかった。

(…え。もしやこれ、パンパカパ~ンって、お披露目されるやつ……。それか御簾を通して話すみたいに、このまま隠れて紹介される、だとか……。)

 今の今まで、莢子は映画などで王と王妃が城から民に手を振る場面を想像していた。だからこの状況は想定外で、ひとまずの緊張は解けていく。その上、後者なら余計に気楽だと期待すれば、多少の息をつくことも出来た。

 流されるままここまで来てしまった。それは何もかもが現実離れし過ぎていて、ずっと実感が湧かなかったからでもある。何せ数時間前までは当たり前のように家で過ごしていたのだ。腰を下ろしたことで、ずっと緊張していたのだと改めて分かった。

 このようにして様々な事柄に気を取られていた為に、彼女は周囲の静かな動きに全く気付いていなかった。主人が隣で軽く手を挙げたことにも、脇で控える官吏がそれを見て、己の役目を行ったことにも。

 美しい鈴の音が、リン、と辺りに響いた。

「主君の御前であるっ。控えよ~っ。」

 腹の底から張った声。ビリビリと這い上ってくる振動。突然の轟に莢子の体がビクリと跳ねた。

 それまで余りにも幕の向こう側に気配が無かった。だからこそ、この重厚な声は不意打ちとなり、彼女は小さな悲鳴さえも上げてしまった。

 緊張による急な動悸。突然開始された本番に居住まいを正す。お行儀良く取り繕っても、紅潮する頬は隠せない。莢子は慌てているというのに、隣からは押し殺した呑気な笑い声が漏れ聞こえてくる。彼女は正した姿勢を、少しだけ縮めた。

 姿は隠されているが、辺りは緊張感に満ちている。己がそうであるからか、声の余韻が鎮まると、空気が一変して張り詰めたように感じられた。

 すると、

「我らが君っ。一切を治めしその力は限りなく、代々に渡りて栄あれっ。千年も、万年もっ。」

突如起こった、大音量の唱和。

 襲ってくる轟きに再び度肝を抜かれてしまった。折角の気取りはどこへやら、莢子は目を見開き、口を開けて固まった。

 大音声の迫力たるや、体の芯まで振動が伝わって身の毛が逆立ち、震えてしまった。この大合唱は幕の向こうに広がる空間の大きさを感じさせてくれる。やはり映画のような光景が広がっており、大勢の民が群れ集まっているに違いない。

 そのように想像した時だ。目の前の大幕が真ん中から分かれ始めた。それは莢子の予想を実体化させるかのような出来事に似ていた。徐々に開かれていく視界。ドキドキする。自分が見られる。ドキドキが強くなる。だが、幕の向こうに現れた光景は、やはり彼女の予想を圧倒的に凌駕していた。

 心臓が、破裂しそうだ。ここは、絵巻物の中だった……。

 圧巻。彼女はまるで平安時代の絵の中に入り込んでしまったかのようだ。このような畳敷きの大広間、見たことも無い。これは最早和風の大聖堂だ。

 ここでも周囲の壁には飾りのような帷が垂れている。広間自体の形は壇のある中央側に行くほど狭まった形をしており、つまり細長い台形になっている。その中に、余りに美しく整然として居並ぶ大衆が、眼下に凛然と揃っていた。

 一見してこれは違うと判断出来る、統制の執れた群衆。確かに、この群れは無造作に集まった民衆などではない。主人に仕える為に存在している、召し抱えられた人達だ。

 雛壇側には男達が整列している。それはこの大広間の三分の一ほどに達している。別の三分の一に女達が集合している。また残りの三分の一には、男女が左右に分かれて集まっていた。

 これ程の人数が集合していても、部屋にはまだ余裕がある。手前側となる男達は規則正しい列を成しながら、左右二つの群衆に分かれており、互いに向き合いながら頭を垂れて立っている。それで中央には大路のような通路が生み出されていた。

 その路の奥に見えるのが女人達なのだが、こちらは皆正面に向かって畳の上に正座している。同様に、やはり美しく整列している。その誰もが畏まって綺麗に平伏していた。

 同じようにその背後に並ぶ第三の群衆もまた、中央の女人らと同じように正面に向かって正座し、平伏していた。

 圧倒のあまり思考が囚われていたから、幕が開いて直ぐに執った王の行動に気付かなかった。彼は手から何かを天井に向かって飛ばしたようだった。

 壇を隠していた帳が完全に開かれると、何の前触れもなく、だが呼吸を合わせて再び大合唱が起こった。

「大いなる君っ。我らが献身と忠誠とを、尽くすことをお許しくださいっ。」

 一体何百人いるのだろうか。いや、この単位は千だ。何千人いるのだろうか……。

 音の大波が通り過ぎても反響している為か、余韻が何時までも耳に残っているようだ。その微かな波さえもまだ肌に触れている内、思いがけず隣から声が発せられた。

「ああ、私の為に生きよ。」

 莢子の心臓がドクリと鳴る。この大衆を前にしては、随分小さな声だった。とてもではないが会場の前方にすら聞こえたとは思えない。それでも男が口にした尊大な言葉に圧倒された。

 咄嗟に相手を見てしまった。王の顔に滲んだ慈愛。声に乗せた労いと、家人に対する信頼感、自国への愛が伝わってくる。造り上げてきたこの国を、本当に大切に思っているのだ。

 莢子は高揚感にも似た胸の高鳴りに手を当てた。自己中心的な言葉は、高雅で感動的な言葉だと思った。

 何か合図があるのだろうか、それとも本当にこの小さな玉声が聞こえたのだろうか。またも全く同じ拍子に、会衆からの返答が起こった。

「はは~っ。有難き幸せにございます~っ。」

同時に、男も女も下げた頭を綺麗に起こしていく。第二、第三の群衆は、王の正面である為か、面を上げても尚目は伏せているようだ。

 これらの動作一つにおいても行き届いた規律に圧倒される。それを見届けた後、壇上の男が静かに言った。

「後は任せた。」

「はっ。」

 床上に居並ぶ家人等の内、最も手前から一人の男の声が立った。亥の一に号令をかけた先の声とは、また別の声だ。

 それは主人からして向かって右手側前列の左端、つまり中央の大路側に立っていた男のものである。持ち場から一歩大路へ、彼にとっては前へと出ると、会衆に向かって半身を返した。それから声を張り上げた。

「一同、心して聞けっ。この度、我らの君は悲願を成就され、天日国あまつくにより姫を迎えることと相成ったっ。この方は、君より給いし我らが掲げる至宝であるっ。この御方に己が身と忠誠とを捧げよっ。」

 張りのある声だったし、天井は高いので響く。が、全会衆にまではっきり聞こえたかは、やはり分からない。彼自身にもその気があるのかは分からない。けれど、またも全く同じ拍子に声が揃った。

「ははぁ~っ。畏まりましてございます~っ。」

打ち合わせでもしているのだろうか。よくも見事に合わせられるものだ。

 これを聞くと男は壇へと体を返し、目を伏せて次のように述べた。

「この度は誠にお慶び申し上げます。このような栄誉を我らに賜れます我が君と、我らの姫に、一同の変わらぬ忠誠をお捧げ申し上げます。」

 壇に一番近い位置に彼がいるとは言え、十メートル程の高低差がある。その上、壇上に座っているだけで見下ろすことも出来ない主と莢子に姿が見えるほどの位置で整列した姿を見せるには、壇からそれなりに距離を取るしか無い。おまけに頭を下げているので、尚更声は届きにくい。実際、莢子にはこの言葉が良く分からなかった。

 けれど、主人にはつぶさに聞こえたようで、穏やかな頬笑みを浮かべながらこれに答えた。

「受けよう。これからも頼りにしている。」

「寛大な御言葉に恐れ入りましてございます。」

 二人の遣り取りは、やはり距離感がない。それなのに着実に会話は成立し、事は進んでいく。主人は鷹揚に頷くと、再び片手を上げた。同時に、王の手から出ていた糸らしきものが、根元からプチリと切れた。

 上空から、再び鈴の音が響いたが、どうやら壇上の後ろ脇で控えていた官吏の役目のようだった。

 リンとした美しい音色が会場に響くと、下に居た男は再び会衆に向かって半身を返し、号令をかけた。

「一同の者、面を下げよっ。我らが君の御退座であるっ。」

「ははぁ~っ。」

一斉に下がる頭。その見事な一致。美しい動作。

 全てのことに圧倒されて茫然と眺めていた莢子に、ふと声が掛かった。

「姫様。」

 その控えめな声は二段下に控えていた側女の一人だ。お世話をする為に二人して上がって来ていたらしい。

「さあ、行こう。」

更に男からも声が掛けられて、莢子はようやく我に返った。

(え、もう終わり。)

これだけの大衆を招いて、たったこれだけ。短さに目を瞬かせてしまう。

 その間も気配りの行き届いた側女らが、彼女の手を両脇から取って支え、立ち上がらせている。老婆は側女達を監督する者のように端で待っていた。

 まるでダンスのようにクルリと身を返されれば、莢子は雛壇から連れ出されてしまう。主人達が壇上から姿を隠すと、大幕は静かに閉じられていく。完全に壇が見えなくなるまで、家人らは頭を下げたままだった。

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