第7話 修行不定記3

 2045年 冬

 気づけば俺45歳になってた。

 久しぶりに自分の顔見たんだけど、30歳頃の顔みたいに若返ってるのよ。元々老け顔だったんだけど、自然の力とストレスフリーってすごいね。サバイバルアンチエイジングって本出してみようかしら。


 さて、師匠が帰ってきた。調査も終わって、小屋も何件か建てて、ほぼ安泰だ。

 瞑想場所は鍾乳洞で当たってたよ。

 師匠は中国の知り合いに会ってたらしい。その知り合いが中国のお偉いさんと繋がっているとか。こっちの準備が出来たら、留学という名の現地調査の許可を貰った。師匠すげー!当局をうなずかせられるジロリアン。さすがっす!

 官僚さんに、中国の担当者の名前を伝えて、確認してもらった。OKです。


 ちなみに、来年からは東北に異動となりました。秋田の神秘的な山の近くらしい。

 じゃあな、幻視の小さなおっさん。あと羽虫。



 2048年 春

 東北の神秘山にも慣れてきました。かなり間が開いてるって?俺はほとんど変わってないから書くこと無いんだよね。小屋たてるー。植物しらべるー。生物しらべるー。瞑想するー以上。

 あぁ、一つだけ変わったことがある。精霊が見えるようになった。嘘みたいだろ?北海道離れて、小さなおっさんや羽虫と別れたと思ったら、この山そこかしこにいるのよ。師匠にその話したら成長したって喜んでた。小さなおっさんは土精どせいさん。羽虫は風精ふうせいさん。

 かなり頑張らないと見えないんだけど、頑張らなくても見える奴がいるのよ。目の前にさ。山にトグロ巻いてるでかい白蛇。

 2年間ありがとう。来月からは九州だ。ナマハゲはいなかった!



 2050年 冬

 九州に異動してから、久しぶりに陸将さんにあった。正確には元陸将さん。あれからお腹の調子も良くなって、猟友会に入ったそうだよ。元気になって良かったねー。


 さて、山守りの話をしよう。九州の山守りはちょっと面倒だった。山が多かった分、山守りが多かった為、3ヶ月置きに小さく異動してた。九州と言いつつ、中国地方と四国も巡った。お陰で色んな瞑想スポットを見つけたよ。火山の近くは怖かったけどね。


 師匠の話だと関西は行かなくても良いらしい。平岩をあまり変わらないし、師匠の友達の久米ちゃんて人が管理しているんだとさ。


 さて、一旦平岩に戻って今度は海外遠征だ。



 2051年 夏

 やっぱり平岩は落ち着くな。と思ってたら、妹家族が訪ねてきた。俺の50歳おめでとうパーリーだとか。嬉しいじゃ無いの!10年以上研究した。野菜山盛りニンニクパーティーラーメンを披露しよう!

 全力で拒否された。

 どうやら甥っ子が山守りを目指しているとか。ちょうど官僚さんが訪ねてきたので、その話を振ってみると、先に官僚さんの仕事を手伝ってみないかと返された。手伝いの後に山守りやっても良いよね。先に大学卒業があるのか。大変だな。

 そういえば、最近頭が冴える技を覚えたな。ひたいに指を当てて、ふんぬ!

 少し力が抜けたから成功したかな。じゃ、勉強励んでくれたまえ。

 あと妹家族には皮膚用の軟膏を渡しておいた。最近ストレス溜まってるんじゃ無いか?ちょっとシワが増えてるぞ。官僚さんにも小さいのを渡しておいた。みんな言わないけど目の下のクマ。すごいですよ……。

 ちなみに、戻るまで最低10年かかると師匠が言っていたので、みんなに伝えておく。


 ところ変わって関西地方。

 師匠が久米ちゃんに会わせたいと言っていたので、ついていく。久米ちゃんめっちゃ雰囲気イケメン!隣の方は奥さん?超雰囲気美人!

 俺を見て二人とも爆笑してた。良くわからないが、うまく笑わせたようだ。

 久米さんと奥さんはセンニンニクの先輩らしい。兄弟子尊敬します。そして女性の先輩とは、まさかのジロリエンヌ!

 その後、俺も混じって話していたが、ところどころ単語がわからない。ショウテンまであといくつとか言ってたから、商店のことだろう。ラーメン店構えるのか。屋台は許可取り難いもんな。

 あとはコンロンさんとホウライさんに行くと言っていた。師匠が流石に知っているだろうと聞いてきたので、「これからお世話になる所ですよね? ちょっと緊張しますね」と答える。お邪魔するのだから尊重を示さねばな。中国の文化はちょっと疎いんだよね。ガイドブック買っておこう。

 3人とも渋い顔をしている。何か問題あっただろうか?

「まぁ、向こうで説明しとくかのぅ」



 さらば日本、しばしの別れだ!!

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