3ヶ月前

2021年12月14日


この日は三者面談。


私立高校の願書を書くための面談だった。


「窓海高校の受験で間違いないですね?」


「はい」


母さんと先生がやりとりをしている間、俺は運動場で部活をしている1、2年生を眺めていた。


久しぶりに部活したいなって思った。


母さんがこっそり俺の手を叩いた。


「授業中もたまに変なところ見ているんですよ」


先生が笑いながら言った。


「すみません落ち着きのない子で」


「公立は受験希望で、第一志望は水瀬川高校で変わりないですかね?」


「どうなの涼也」


「変わりないっす」


水瀬川高校は県内でもトップクラスの進学校だ。


正直、ワンランク下の高校を受けようか迷っている。


「この成績だったら水瀬川受けるのも全然問題と思うので冬休みも気抜かずに頑張ってください」


「はい」


「これから大事な時期なんだから危険な遊びは絶対にしないでね」


「先生すみません、迷惑なことばかりして」


母さんは謝った。



今日の晩ご飯はおでんだった。


父さんは出張で全然家に帰ってこなかったし、俺は塾で自習をする日が続いていたので家族揃ってご飯を食べるのは久しぶりだ。


「今日、涼也の懇談だったのよ」


「なんか言われたのか?」


「高校の話がメインだった。あとは危険なことをするなって」


「男子中学生なんて危険なことをする生き物なんだからちょっとくらい許してやれよ」


父さんは笑いながら言った。


「大事な時期なのに」


母さんは不満そうな顔だ。


「来週は秋也の懇談だわ」


また母さんが嫌な顔をした。


弟の秋也は俺よりやんちゃらしい。


ご飯を食べた後、少しスマホをいじっていると電話がかかってきた。


霧倉からだった。


俺はすぐに電話に出たがその瞬間切れた。


「ごめん」


「間違えた」


霧倉から電話がかかってきて嬉しかったのに間違い電話だと知らされてショックだった。


やっぱり霧倉は俺のこと興味ないのかな。


そんなことを考えていると勉強に集中出来なかった。

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