2日前

2022年3月9日


「なぜこの学校を受験したのですか?」


「僕は高校卒業後、国公立大学に進学したいと考えております。貴校の少人数授業やオンライン授業など他の学校にはない魅力的な授業を受けたいと思いました。また、陸上部の活動が盛んで、僕も先輩方のように中学生の頃よりも成長したいと思い貴校への入学を希望しました。」


部活を引退してから続いていた長い長い受験勉強から今日やっと解放された。


入試が終わってからは中学生活を共に過ごしてきた仲間と焼肉に行った。


ゲームに負けた俺は明後日、好きな人に告白することになったが…


「じゃーな涼也」


「おう」


みんなと別れ家に帰っていた。


霧倉の家の前の道を通っているとうずくまってる人がいた。


「霧倉…?」


顔を上げた人はやっぱり霧倉だった。


涙で潤った目が綺麗でいつもに増して可愛かった。


「何してんの」


霧倉は黙って下を向いていた。


「入試お疲れ様」


霧倉が小さな声で言った。


「霧倉は高校どこ行くの?」


「私は高校行かない」


俺はなんとなく理由が分かった。


だから理由を聞くのが怖くて話を逸らした。


「卒業式の後、写真撮らない?」


ああ。


このひとことを言ってしまった。


ん??


返事がない。


やっぱり俺と関わりたくないのか。


「…気が向いたら」


これは絶対に撮ってくれないやつだ。


明後日、告白できるのだろうか。


「俺そろそろ帰るわ」


「うん」


俺は家に帰った。

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