十二 縛る
隙あり、覚悟!」
「今日こそふん縛ってやるわ!」
「早く縄かけて!」
「今日は足からかけましょ」
「あ、すり抜けた!そっちもっと強く押さえててよ!」
「あっ逃げた!急所押さえて一気に息の根とめないと駄目よ!」
そっち行ったわよ、五郎!足を狙いなさい」
甲高い女の子の声が複数。でもその内容はかなり殺伐としている。
よくよく見てみれば、観音さまの妹姫たちが勢揃いしていた。襷をかけて鉢巻をしめ、縄を手に、盗人少年を取り囲んでいる。きっと何度も何度も盗みに入っているのだろう。
それにしても姫たちの逞しさには惚れ惚れするばかり。
と、ヒメコの腕がいきなり引っ張り上げられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます