Side: アレクシアの心境

 女の名は、アレクシア=パピヨン。

 有名な騎士を輩出してきたパピヨン家の次女である。


 魔力が一般人の3倍はあり、火魔法の上級魔法まで使えるということが、旅をしていた学校長に認められ、彼女は推薦状を出会ったその場で貰う。

 アレクシア自身も魔法の才能があるなら磨きたいと、騎士の家の反対を押し切ってこの学校の試験を受けていた。



ーーーアレクシアはプライドが高すぎるため、自分以外の推薦者に注目が向けられていることが許せなかった。


『あいつ、私より目立っているわね』

『あいつの顔、覚えたわ』


 最終試験。


『何で、あいつより私が先なんですか!』


 アレクシアは、試験官に問い詰めていた。


『なんでも、なにも、決められた順番があるだけだ』


『それって、実力の期待度ですよね!!』


『実力はこの試験が終わったら分かることだ。くだらないことを言ってないで、さっさと行きなさい』


 試験終了。


 何で、あの学園長と模擬試合をするのよ!?

 あの人、Sランクの冒険者でしょ!相手になるわけないじゃない!

 魔法を1度打ち返すしかできなかったわ…


 ………私は、あの家から来たのよ…、この学園は私の成長までの道でしかないの、私は、強くならないと。


『……騒がしい』

『何なのかしら?』


 壁から聞き耳を立てて向こうの会話を聞く。この声、あいつの声じゃない!


『ふん、家に帰りたいなら帰ればぁ?』


ーーー相変わらず、魔力がまるで無いようね。これで私と同じ試験会場で受けていたなんて。

 しかも、この学園に入るにあたっての覚悟がまるで感じられない。



 !?



 ……扉を閉められた?


 あいつ!


『あなたたち!私を無視するなぁー!!』



ーーー ッ!

 なんでまた、こいつの横に。


 何が、『仲が良いんですね♪』よ。ライム先生の目は何処を見ているの!


ーーー自己紹介の最後の番がきた。

 ……これだけは、言っておかないと私は…甘えてしまうわね。


『この学園の1番になるわ。覚えておきなさい』

 

ーーーランキングが発表された。


 私は、私が38位であることが許せなかった。

 どうして…。


 一瞬、弱気になったが、それは周りからの驚きの声に呑み込まれて、それどころではなかった。


ーーーいったい、何が起きているの?


 騒がしい後ろの人混みに目を向けると、彼と目が合った。……まさか!?


 ランキングをもう一度見た。ゆっくり、ゆっくりと、……そして【マナ=フィルドー】の名を見つけた。彼は、18位だった。


 口が動く。


『決闘よ!』


 言った後に後悔する。

 何故なら、決闘のルールの1つに負けると、ランキングが5位下がり、次の決闘許可まで2週間かかるからだ。

 申請にさえ、最低2日はかかる。

ーーー今は、無理のない相手を選らばなければいけなかった。


 …だけど、大勢の前で宣戦布告してしまった。

 しかも、ランキング発表のために教師が数人いる。宣言を自分から撤回できない。


 やるしかない…。やってやるっ!


 担任のライム先生が来られる。


『言いにくいのですが……アレクシアさんの順位ではマナ君に【決闘】を申し込む資格がありません』


 資格がない?それはどういうこと?


ーーー理由が後から言われて、私は顔が熱くなるのを感じた。

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