第108話 武具の買い替え
せっかく義勇軍メンバーになったのだ、装備を新調しようと思い、武具屋ハンマー&ナックルへ行く事にした。
裏通りを歩いて油の匂いが漂ってきた職人街へとやって来て、武具屋、ハンマー&ナックルに行く。・・・あった、ここだ。色んな武具が雑多に置かれている、店主のおやっさんに声を掛ける。
「おやっさん、武具の手入れをお願いしたいのですが」
「なんだ小僧、ちょっと見せてみろ」
俺は装備を外しておやっさんに渡す、受け取ったおやっさんは眉根が釣りあがっている、武具を叩きながらあちこち色々調べている。顔が怖い、バイキングメットがさまになっている。
「小僧、手入れと言っても限度がある、このショートアックスはもうガタがきとる」
「え、そうなのですか、やはり使いこんでいたからでしょうか」
「それもあるが、元々この武器は安物だからな、こりゃあ修理に出すより買い換えた方がよい」
「そうですか、それじゃあ買い換えます」
「そうしろ、今の小僧ならばミドルアックスなんてどうだ、戦闘用の片手斧だ、買っていけ」
「はい、じゃあそのミドルアックスを下さい」
「それから
「鎧もですか、うーん、何がよさそうですかね」
「・・・そうさな・・・チェインメイルに上からブレストアーマー・・・と言ったところか」
「じゃあそれも下さい」
「小僧、予算は」
「そうですねえ、金貨2枚ってとこでしょうか」
「そうか、ブレストアーマーだがな、わしが少し手を入れた強化装甲型ってのがあるが、どうだ」
「強化装甲型ですか、なんだか凄そうですね」
「まず、首まわりと肩のところに装甲を足してあまり重くならん様に改良しておる、動きも阻害されないように微調整しておる」
「重くならないのはいいですね」
「買うか」
「はい」
「それから盾だがな、この鉄の盾は留め金のところがもう駄目だ、こいつも買い換えろ」
「鉄の盾もですか、うーん、今まで世話になってきた盾ですけど、修理ってできますか」
「出来なくはないが、もうそろそろこいつもガタが来てもおかしくないぞ」
「そうですか、わかりました、じゃあショートアックスと鎖帷子と鉄の盾を引き取って下さい」
「わかった、・・・そうさな、全部で大銅貨5枚でどうだ」
「はい、じゃあそれで」
俺は今まで使っていた装備品をおやっさんに渡して、代わりに大銅貨5枚を受け取る。だけどこれで新しい武具を買うのでまあいいだろう。
これで新しい武具を手に入れれば防御力が上昇するはずだ、戦士にとって防御力は必須だからな。これでより打たれ強くなるはずだ。下手したらノーダメージなんて事もありえるぞ。
「・・・・・・」
「どうしました? おやっさん」
何時に無くおやっさんが考え込んでいる、なんだろうか、何か引っかかるのかな。すると、少し考え込んでいたおやっさんが口を開いた。
「・・・小僧、・・・あと金貨3枚出せるか」
「え、3枚ですか、・・・出せなくはないですけど」
「実はな、とっておきの盾がある、ちょっと待ってろ」
そう言うとおやっさんは店の奥に行ってしまった、なんだろうか、とっておきの盾って。しばらく店内をうろうろして店の品物を見て回っていると、おやっさんが店の奥から出てきた。何やらピカピカした綺麗な盾を持っている。銀色に輝く表面に豪華な装飾が施されている。・・・もしかして・・・
「待たせたな、こいつだ、小僧に見せたい物は」
「こ、これは・・・」
「銘はベルシーダ、銘付きの盾だ、表面に希少な魔法金属のミスリル銀を使ってある、装飾も見事な仕事がしてある、どうだ」
「こ、これは確かに凄い盾ですね」
ゲーム「ラングサーガ」にも登場した、紛れも無く一級品だ。最後まで持っていける盾だ。防御+8、魔法ダメージ50%カット、軽量、値段、どれを取っても間違いなく一級品だ。
これは買うべきだ。今まで鉄の盾にはお世話になってきたけど、ここらで強力な装備品を手に入れるべきかもしれない。・・・・・・よし! 買おう。
俺は無言で金貨5枚をおやっさんに渡す、するとおやっさんの顔が緩む、そしてミドルアックスとチェインメイル、ブレストアーマー、そしてベルシーダを渡してきた。
俺はその装備品の武具を一つずつ丁寧に装着していく、うん、やはり俺には斧の方がしっくりくる。最後にベルシーダを装備して身だしなみを整える。
「ほ~う、小僧、さまになっとるじゃないか」
「どうも」
装備も新しくしたし、心機一転、気持ちも軽やかになり武具屋、ハンマー&ナックルを後にする。
「いつでもこい、手入れをしにな」
「はい、おやっさん」
気がついたらもう夕方ごろだった。さて、装備も新調したし、酒場にでも行ってみますか。鎧などは動きが阻害されないだけあって、歩いていても何の問題も無い。それに意外と軽い、流石おやっさんだ、相変わらずいい目利きをしている。さあ、飲みに行こう。
おじさんは次のステージにいくよ
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