第100話 上級職へのクラスアップ
今日の冒険者ギルドは静かなものだ、俺を含めて数人の冒険者しかいない。ウエイトレスさんもどうやら暇をもてあましているようだ、ポニーテールの子とファンナの幼馴染のクリスちゃんが談笑しながら店内を掃除している。
ルビーさんとサーシャ、それにファンナとピピはサリー王女様のところでお茶会に呼ばれているらしく、4人ともメンデル子爵の屋敷へ出かけている。俺はどうしようかな、・・・あ、そうだ、経験点が溜まってたんだった、いい機会だ、クラスアップも含めて色々検証してみよう、魔法とか。
そこで冒険者仲間のデニム達から声が掛かった。
「よう、ジロー、Eランクに上がったって聞いたぜ、って事は一つ上の依頼も受けられる様になったって事だろ、Dランクの依頼で鉄鉱石の採掘ってのがあるんだけど、ジローもどうだ、俺等と一緒にやらないか」
「デニム、ジーン、スレンダー、悪いな、折角誘ってくれたのに申し訳ないが、今日は色々やる事があるんだよ」
「何だよ、やる事って」
「ん、なに、ちょいとばかり草原に行って試したい事があってな、これをやっとかないと後々の為にならんのだよ、そんな訳で今日は一人で行動するから」
「なんだよ、付き合いわりーな、わかったよ、また今度誘うよ、その時には付き合えよな」
「ああ、すまんな3人とも、また今度な」
「じゃあしょうがねえ、
「ああ、気を付けてな」
デニム達は俺から離れて冒険者のレミのいる方へ移動していった。
鉄鉱石の採掘か、するってえとサラミスの街から西に1時間ぐらい歩いた所にあるジャスティーニの廃坑に行くつもりなのかな、モンスターが棲みついて廃坑になっちゃいるが、まだまだ鉄が取れるらしいからな。確かフロストバットという冷気のブレスを吐く蝙蝠(こうもり)のモンスターが生息していたはずだよな、まあ、デニム達はベテラン冒険者だから滅多な事は無いと思うが。
まあ、俺は俺でやる事があるからな、まずは草原に出かけるか。クラスアップは女神教会でも行えるようだが、俺はあまり目立ちたくないからな、こっそりメニューコマンドでやってしまおう。
必要なアイテムを持って街の城壁の門の所まで歩いてきた。門衛に挨拶する。
「こんにちは、ちょっと草原まで出かけてきます」
「なんだジロー、一人か、ファンナはどうした」
「サリー様の所でお茶会に呼ばれているようですよ、俺はちょっと確かめたい事があって。」
「そうか、街道から外れるとモンスターに遭遇し易くなるぞ、一人で森なんかに入るなよ」
「わかっています、それじゃあ行ってきます」
門衛と別れて門を潜ってサラミスの街を出て行く、暫くは街道を歩いて土がむき出しになっているところまで歩く、そこからさらに草原地帯を進み、草があまり生えていない所まで来た。
ここなら誰にも見られずに色々検証できる。まずはクラスアップだ、経験点が1000点位あるからな、レベルアップも同時にやればいいだろう。メニューコマンドで成長コマンドと念じる。そしてクラスアップの項目に指でタッチしてクラスアップ一覧表を表示する、やはりそうか、戦士の上級職であるバトルマスターのところが明るく表示されている。迷わず指でタッチする。
{バトルマスターへクラスアップしました}
{クラスアップボーナス20BP獲得}
おお、やったぞ。やはり俺の体が光った、クラスアップの光ってやつか、誰にも見られてないよね、それにしても一気に20ポイントのボーナスポイントを貰ってしまったよ。さすが上級職といったところか。これで俺も戦士の上級職、バトルマスターだ。なんだか嬉しいような、まだまだの様な。
クラスアップの事はここまででいい、あとは魔法の検証だ。今のMP、俺のマジックポイントは3ポイントだ、これはレベルが上がっても増えなかった。つまり、パラメーターの魔力が関係しているのではなかろうか、試しに1BP使って魔力を2に上げる、・・・やはりそうか。俺の今の最大MPは6ポイントまで上がった、つまりこれは魔力1ポイントにつきMPが3上昇すると言う事なのだろう。
お次はファイアの魔法の消費MPがどれぐらいなのかを確かめてみよう。地面にへ向けてファイアの魔法を唱えてみる。
「炎よ! 《ファイア》!」
やはり胸板から火が出た。ブレストからファイアだ。なぜなんだろうか。まあいい、今俺は一回ファイアの魔法を使った。MPを見ると4MPとなっていた、最大MPが6ポイントだからファイアの消費MPは2ポイントと言う事か。と、言う事は俺は今ファイアの魔法を3回使えるって事か。
俺は戦士職だけど、攻撃魔法が使えるってのは強みだよな、いざって時に魔法が使えるのは戦術の選択肢が増えるからな。
今の所は魔法検証はこのくらいか、出来る事がまだまだ限られているからなあ、こんなところか。
「お、もうそろそろお昼か、昼飯でも食うか」
このつづきは昼飯を食べてからにしよう、BPが21ポイントもあるからな、何に使おうか。
おじさんちょっと休憩
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