第62話 馬車の中でレベルアップ





 俺達を乗せた馬車は霧の森を抜け街道まで戻ってきた。そこから南にあるコムサイの町にとりあえず向かっている。ピピは相変わらずさくらんぼの様な果物に齧り付いている、好きなんだね、さくらんぼ。


コムサイの町まで少し時間が掛かる様だ。ここらでいっちょうレベルアップしとこうかな。まずは今のステータスだ、ステータスと念じる。



 LV16 ウォーリア


 HP48 MP0


 力 10+5

 体力 6+5

 すばやさ 3

 器用さ 5

 魔力 0

 幸運 2


 ユニークスキル メニューコマンド

 スキル 異世界言語・文字 ストレングス タフネス 盾熟練 指揮官


 BP10  SP1  経験点1560点



こんな感じだ、戦士としてはなんとか及第点なんじゃなかろうか。


今回は獲得経験点が少ないけどBP(ボーナスポイント)が10ポイントも貰えたからな。何に使おうかな、・・・戦士の中級職なんだからもう少し体力が欲しいところだな。


まずはレベルだ、一つレベルを上げるのに経験点500点使うんだよな。・・・まずは成長コマンドと念じてっと・・・・・・


・・・よし、これでLV19になったぞ、HPも57に増えた。これで大概の攻撃には耐えられるだろう、次は力に2ポイント使って力12だ、ストレングスのスキルと合わせて17だ、これは結構な攻撃力だぞ。


あとは体力だ・・・どうしようかな、いいや4ポイント使おう。これで体力は10になった。タフネスのスキルと合わせて15になった。


いよいよ戦士らしくなってきたぞ、残りBP4だ、何に使おうかな。


う~む、・・・そろそろすばやさを上げるか、・・・よーし、すばやさに2ポイント使おう。・・・よし、これですばやさが5になったぞ、これでいろいろな場面ですばやく動ける様になったと思う。


あとは器用さかな、1ポイント使おう、これで器用さが6に上がった。器用さが上がると武器攻撃の命中率が上がるんだよな、6もあればいいだろう。


さあ、いよいよだ、今まですっとばしてきたけど、とうとう魔力に1ポイント使うぞ。・・・よし、これで魔力1になった。MPも3になっている。


これで俺も魔法が使える様になったぞ、異世界といったらやっぱ魔法でしょ。あとは何の魔法スキルを習得するかだよな、SP(スキルポイント)は1ある。初級魔法しか習得できないけど、いいさ、魔法は魔法だからね。


だけど、こういう場合魔法の発動体とかって大丈夫なんだろうか。ちょっと心配。まあいいや、なるようになれだ。


何にしようかな、やっぱ攻撃魔法かな、いやいや、いっその事、回復魔法ってものありだよな。


う~む、悩むな~、どうしようか。


・・・よーし、攻撃魔法だ、攻撃魔法のファイアを習得しよう。・・・・・・よし、火魔法のファイアを習得したぞ。これで俺も魔法使いだ。


よし、こんなもんか。改めてステータスを確認する。



 LV19  ウォーリア


 HP57  MP3


 力 12+5

 体力 10+5

 すばやさ 5

 器用さ 6

 魔力 1

 幸運 2


 ユニークスキル メニューコマンド

 マジックスキル ファイア

 スキル 異世界言語・文字 ストレングス タフネス 盾熟練 指揮官 


 BP0  SP0  経験点60点 



よし、こんなもんか、なんとなく戦士らしくなってきたような、まずまずと言った所かな。初級魔法とはいえ、攻撃魔法を習得したからな、気を付けて扱わないとな。


こんな感じだ、レベルアップは自分が成長するみたいでなんかいいな。


「どうしたんだい、ジローさん、ぼーっとしちゃって」


ルビーさんが不思議そうな表情で話し掛けてきた。


「いえ、何でもありません、そろそろコムサイの町でしょうか」


「そうだねえ、ランディウス、どうなんだい」


「はい、もうすぐのはずです」


そのまま街道を南へ進んで行くと、ギャリソンさんから声が掛かった。


「皆様、道の真ん中に人が倒れております。いかが致しましょう」


「とりあえず停車して下さい」


「畏まりました」


馬車は道の途中で停車する、なんだろうな、こんな所で人が倒れているなんて。


「俺が様子を見てきます、サーシャ、俺と一緒に馬車を降りて辺りを警戒してくれ」


「わかったわ」


「気をつけなよジローさん、ここはジム山に近いからねえ、山賊の可能性もあるよ」


「わかりました、みなさんは馬車で待機、動きがあれば対応して下さい」


「あいよ」


馬車を降りてゆっくりと倒れている人に近づく、辺りを警戒する。今のところ問題はなさそうだ、さらに近づく。倒れている人の側まできた、特にこれといって動きはない。


「もしもし、大丈夫ですか。どうしましたか」


「・・・う~、もう呑めねえ~」


ただの酔っ払いだった。


ちょっと、ビビらせないでよ、俺はビビリなんだから。


俺は報告する。


「ただの酔っ払いでしたー」


ルビーさんが呆れる。


「酔っ払い? 人騒がせな」


「どうしましょうか」


「このままって訳にはいかないよねえ」


ファンナが真っ当な意見を述べた。


「とりあえず、起こしてみては」


「そうですね、おーい、起きろー、こんな所で寝てると風邪引くぞー」


「う~・・・だから・・・もう呑めねえ~って・・・」


「なに言ってんの、ほら、早く起きろ」


「う~・・・俺ぁ任務ちゅうだ~、」


「何が任務だ、酔っ払ってんじゃねーか」


勘弁してくれ、酔っ払いの相手なんてあまりしたくはないんだけど。




おじさんビビッてるからね






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