第39話 バルト要塞奪還作戦 ②



 俺とファンナはバルト要塞の中にある4つの建物のうちの1つに突入している。


遭遇したモンスター達を倒しながら先へと進んで行く。その途中、ルビーさんとサーシャの装備を発見した。この建物内に二人がいるかもしれない。その二人の装備を持って今も捜索を続けている、無事でいてくれ、二人共。


建物内を俺達は走る、遭遇したモンスターを倒しながら。


「ジローさん、あそこにオークが3体います!」


「了解、ファンナは下がって!」


オークが3体か、キツイかもしれない、けどやるしかない。


鉄の盾を構えながらオークに近づく。


2体のオークが迫って来た、こん棒を持った奴が攻撃してくる。


盾で攻撃を防ぐ、カウンターでショートアックスを振り回す。


オーク1体にダメージを与える。


「ブヒッ」


残りの2体が俺に攻撃を集中してきた。


「うぐっ」


いてえっ、盾を構えないとここまで痛いのか。


ダメージ4、残りHP32.まだ大丈夫だ。


オークを1体づつ対処する。


ダメージを与えたオークに攻撃する。


「ブフウッ」


オーク1体を倒す。残り2体.


続けて近いオークを攻撃する。


当たった、オークにダメージを与えた。


器用さが5あるからなのか、俺の攻撃はあまり外さない。


「ジローさん! ゴブリンが!」


何! ゴブリン!


見ると別の通路からゴブリンが3体増援としてやって来た。


「ファンナ! ゴブリンを!」


「はい!」


よそ見をしたその隙にオークが攻撃してきた。


あまい! 盾でしっかりとガードする。


反撃でショートアックスをオークの頭目掛けて振り下ろす。


「ブヒッ」


オークの頭に攻撃が当たった。


オークを倒す。残り1体。


「きゃあっ」


ファンナの声でそちらを振り向く、ファンナがダメージを負ったみたいだ。


「ファンナ! 大丈夫か!」


「な、何とか!」


「こっちを片付けてすぐに手伝う!」


「すいません」


そう言えばファンナはまだFランクの冒険者だったな、無理させられない。


オークが攻撃してくる、鉄の盾で防ぐ。


カウンターでショートアックスを振り下ろす。


「ブヒッ」


よし、かなりのダメージを与えた様だ。


連続で攻撃する、早いとこ倒さないと。


オークにショートアックスを力いっぱい振り下ろす。


「ブヒィィ・・」


よし、これでオークを3体倒した、ファンナを手伝わないと。ファンナの方を見るとゴブリンの攻撃を避けながら1体倒していた。すごいなファンナは。ゴブリンは残り2体。


「ジローさん、ふぉーめーしょん2です!」


「え?! わ、わかった!」


挟み撃ちのことだよな、よし、いい位置だ。


ゴブリンを俺とファンナで挟み込む。


ファンナはショートソードを振り下ろし、俺はショートアックスを振り下ろす。


「「 ギギャッ 」」


二人同時に攻撃して2体同時にゴブリンを倒した。


「やりましたね! ジローさん」


「ああ、ファンナはまだ大丈夫か?」


「ちょっとだけ痛いですけど、でも大丈夫です」


「分かった、回復薬を使おう」


「え、そんな、まだ・・・」


ファンナは遠慮しているが、こういう時は慎重に過ぎるという事にはならないのだ。


「油断は禁物だよ、またいつダメージを負うかわからないからね」


「はい、ありがとうございます、ジローさん」


俺のバックパックから回復薬を2つ取り出してファンナに1つ渡す。


俺も回復薬を飲む、体が一瞬光って疲れが癒える。ファンナも回復薬を飲んで体が一瞬光る、どうやら二人ともHPは回復した様だ。


「ふう、凄い効き目ですね、もう痛みがありません」


「それはよかった、俺も回復したし、捜索を続けよう」


「はい、・・・あれ、ジローさん、あそこにまた扉がありますよ」


「その様だね、調べてみよう」


扉の前まで行き、聞き耳を立てる。話し声が聞こえる様な聞こえない様な。


「ファンナ、慎重に扉を開けるよ」


「は、、はい」


扉の取ってに手をかけてゆっくりと扉を開ける。


すると部屋の内側から力が加わり扉が勢いよく開いた。


しまった!待ち伏せか、油断してた訳じゃないのに。


「サーシャ! 今だよ!」


「えいっ!」


「うごっ!」


その瞬間、下半身に衝撃が走った。


俺はその場で崩倒れる。


金的だ。金的攻撃を食らった。


ファンナが駆け寄ってきて、俺を心配そうに寄り添ってきた。


「ジ、ジローさん!! 大丈夫ですか!」


「え!? ジローさん?!」


「え!? ジロー?・・・あ! ホントだ! ジローー、あ~ん、ジローー怖かったよ~、あいつらに慰み者にされるんじゃないかと思って怖かったよ~~、ジロ~~~」


「サ、サーシャ、抱き付かれるのは凄く嬉しいんだけど、ちょっと離れようか、腰をね、トントンしないといけないから」


どうしよう、物凄く痛い。腰をトントンする。落とさないとね。玉を。


「まったく、見せつけてくれるねえ、あたいも居るってゆーのに」


「ル、ルビーさん、ご無事で何よりです」


「ああ、この部屋に隠れていたからねえ、・・・大丈夫かいジローさん」


「な、何とか、まだ痛いですけど」


なるほど、ルビーさんもサーシャもベテラン冒険者だ。踏んできた場数が違うという事か。俺が危惧していた事にはなっていない様だ。


「あ! それ、私たちの武器じゃない、よく見つけたわね」


「ああ、これですか、少し手前の部屋で見つけたんです。どうぞ」


俺はルビーさんとサーシャの装備品を二人に渡す。


「ありがとうジロー、これでまだ戦えるわ」


「ジローさん、・・・その、ありがとうよ、あたい等を助けに来てくれて、・・・嬉しかったよ」


「お二人共、無事で何よりです、大切な・・・仲間・・・ですからね」


「・・・・・・仲間・・・か・・・まあいいさね」


「所でジロー、この娘誰?」


サーシャがファンナを見て、お互いに会釈している。


「あ、初めまして、冒険者のファンナって言います」


「あんたも助けに来てくれたんだね、ありがとうよ、あたいはルビーってんだ、よろしく」


「私はサーシャ、ありがとね、助けに来てくれて」


「いえ、お役に立てて何よりです」


ルビーさん達は装備を整え、いつでも行動できる準備が済んだようだ。


「さーてと、それじゃあ行こうかね、この建物で捕まった人はあたい等だけだからね」


「そうなんですね、早く脱出しましょう」


そこで、ファンナが俺に聞いて来た。


「ジローさん、この建物の制圧はどうしますか?」


「ああ、それなら他の冒険者がこの建物にいますから、その人達に任せましょう」


「解りました、それじゃあ脱出ですね、よかった、みんなが無事で」


なにはともあれ、ルビーさんやサーシャ達が無事で良かった。後の事は他の冒険者に任せよう、俺達はこのまま脱出することにした。




おじさん何もしてないけどね









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