第7話 はじめてのボス戦





 ドム遺跡の2階に俺達は居る、ボス部屋の手前に・・・


ボス部屋の入り口には大きな扉がある、これを開けて中に入ると、いよいよこの遺跡のボスモンスターとの戦いが始まる。


ルビーさんが扉の取ってに手をかけた。


「それじゃあ扉を開けるよ、いいね」


「いつでもいいぞい」


緊張してきた、この先はボス部屋だ、ゲーム「ラングサーガ」と同じなら。


ギギギィ と扉を開ける、大部屋を確認する・・・やっぱりいた、モンスターだ。ジャイアントラット1匹、ビックラット2匹、それに・・・


「あれは・・・スケルトンナイト! 何故あんな強敵が・・・」


ジャイアントラットは体長1メートルの巨大ねずみだ、それはいい、ゲームと同じだから。問題はスケルトンナイトの方だ、ゲームでは終盤に出てくるやつなのに。


スケルトンナイトは剣と盾で武装したアンデットモンスターだ、こちらの攻撃を盾でしっかりと防いでカウンターで反撃してくる、盾で防ぐってだけで、もう厄介なのだ。


ルビーさんは俺に小声で聞いて来た。


「作戦はどうする」


俺も小声で答える。


「ルビーさんの魔法でまとめて攻撃、騎士グレンはスケルトンナイトの相手、俺はラットの足止め、後は出たとこ勝負ってとこですかね」


俺のレベルは1なんだがジャイアントラットの相手か、きついなあ。


騎士グレンさんが俺の作戦に賛成した、まあ、作戦も何もあったもんじゃないけど。


「わかった、それで行こうかの」


「じゃあ、魔法・・・いくよ! 燃え盛る炎よ 《ファイアーストーム》!」


モンスターの群れに炎が炸裂する、やっぱりいいな~魔法。


ファイアーストームの魔法でモンスター全体に攻撃する、ビックラットは2匹とも黒こげだ。さすがにジャイアントラットとスケルトンナイトはまだ倒れない。モンスターがこちらに向かってくる。


騎士グレンと俺が前に出る。


ジャイアントラットは俺が足止めするために位置取りをする。


騎士グレンはスケルトンナイトに相対した。


「攻撃力上昇の魔法をかけたよ!」


「ありがたい!」


「すまない」


アタックの魔法か、さすがルビーさん。


ジャイアントラットが体当たりしてくる。


俺はサイドステップでなんとかかわす。


HP2しかないんだ、一撃でも貰ったらアウトだ。


必死になって避ける、通り過ぎざまに手斧を振り下ろす。


当たった、ジャイアントラットにかなりのダメージを与えたはずだ。


避けては攻撃をくり返しているうちに足に限界がきた。


足がプルプルしてきた、筋肉痛がしてきた。


「ルビーさん、攻撃魔法を!」


ジャイアントラットをかなり弱らせたはずだ。


足も限界だ、体力1しかないからな、もう若くない。


「もう少し待って!」


ちょっと待って、ほんとに無理。


足がもつれた所にジャイアントラットの体当たりが来た。


ダメだ避けられない!、当たる!


ジャイアントラットの攻撃を喰らって俺は吹き飛んだ。


「ぐわっ」


やばい、ダメージいくつだ。


まだ意識はある、辛うじて無事だ。


「離れて!ジローさん!」


ルビーさんの声に這い付く張りながら急いでジャイアントラットから離れる。


「燃え盛る炎よ! 《ファイアーストーム》!」


ジャイアントラットに炎が襲い掛かる。


「チュウッ・・・」


ジャイアントラットは焼け焦げた。


どうやらラット達は倒せた様だ。


「はあ、はあ、ぎりぎりだった。・・・そうだ、騎士グレンは、」


騎士グレンの方を見るとスケルトンナイトと交戦中だった。


騎士グレンの攻撃をスケルトンナイトが盾で防ぎ、スケルトンナイトのカウンター攻撃を騎士グレンの盾で防ぐ。一進一退の攻防だ、強さは拮抗している。


「ルビーさん、援護の魔法は、」


「あたいは単体攻撃魔法が使えないんだよ」


「え? そうなんですか」


メイジって言ってたからてっきりファイアーあたりが使えるもんだと思ってた。


「あんたこそ援護しないのかい」


「無理です、あの戦いに割って入るのは」


ステータスをチェックする、HP1だ。


体力も限界だ、俺が行っても足を引っ張るだけだ。


「歯がゆいねえ」


「騎士グレンを信じましょう」


俺が思うに、騎士グレンは相当な強さだろう、スケルトンナイトと互角に渡り合っている。


「これならどうじゃ!」


騎士グレンが盾で殴った、シールドバッシュだ。


スケルトンナイトが一瞬体勢を崩す。


「その隙は見逃さん!」


騎士グレンのロングソードがスケルトンナイトの頭を砕く。


その瞬間、スケルトンナイトがバラバラと崩れる。


どうやら終わったみたいだ、よかった、騎士グレンが勝った。


「ふい~、ようやく勝てたわい」


「さすがですね、騎士グレン」


「なんの、ルビー嬢の支援魔法のおかげじゃわい」


「あたいのなんて大した事ないよ」


「何はともあれ、これで探索は終わりかのう」


ルビーさんが地図を取り出し、確認する。


「・・・地図を見るともう調べ尽くしたねえ」


・・・いや、待てよ、確かこの大部屋に隠し部屋があったはずだ。


「二人とも、あそこに何かスイッチみたいなのがありますよ」


「なんじゃと?」


「よく見つけたね」


ちょっとわざとらしかったかな、でもここまで来たんだ、調べてみよう。


スイッチの所まで来て仕掛けを作動させる。


ごごごごっ、と隠し扉が開く、何があるのかな。


隠し部屋の中には宝箱が一つ、それと・・・


「なんだい、人が倒れているよ」


「女性、ですよね」


その時、騎士グレンさんは驚いた表情をしていた。


「・・・・・・お、王女殿下!!」


「「 王女! 」」


どうやら大変な人物らしい人が居たみたいだ。



{シークレットシナリオをクリアしました}

{1BP獲得  1SP獲得}

{シナリオをクリアしました}

{経験点200点獲得}



なんだ? 頭の中に女性の声が聞こえたぞ。


シナリオクリアだって? それに経験値じゃなく経験点ってTRPGみたいだな。




何がなんだか、おじさんついてけないよ。


















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