2軍
目的を忘れていた。僕は天堂たちに依存していたのかもしれないが、そこを離れて2軍の人たちと関係を持つ。そのことを忘れていた。
天堂があまりにも普通に話しかけてくれるもんだからまた依存しかけていた。白河さんを通して2軍の人たちと仲良くする。そろそろ動かないとダメだ。
「白河さんちょっといい?」
僕はわざと2軍の人たちと話している白河さんを呼び出す。そうして2軍の人たちに無理矢理目を向かせて興味を持ってもらうつもりだ。
それを繰り返していれば、神崎たちも僕に声をかけてくれるようになるだろう。こんなに何回も目の前に現れれば声をかけない方がおかしいからな。
白河さんを利用する形にはなるが、白河さんも僕と話せることに嬉しいのかニコニコとしているので罪悪感が湧かない。
そうしてそれを繰り返していくと、やっと神崎が僕に声をかけた。前にご飯を行った仲ではある。
「如月分かりやすすぎだぞ」
「え」
アホかと思っているような顔で僕に声をかけてきた。
「そんな明から様に梨央奈に話しかけてるんだもんな」
俺は分かるぞ、と付け足して言った。もしかしたら何か誤解されているかもしれない。
「いや、そういうのじゃないんだけどな……」
僕は本人が目の前にいるため、神崎に向かって恐る恐る言った。この場で白河のこと好きなんだろなんて言われたらたまったもんじゃない。気まづいにも程がある。
それに神崎は白河さんが僕のことを好きと知っていてもおかしくない。神崎と白河さんは仲が良いし話しているかもしれないからだ。
「まあ知ってるけどよ」
知っているとは僕にその気がないことだろうか。もしかして白河さんは僕に告白したことを言っているのだろうか。
いや、おそらくそれはないだろう。白河さんは僕に恋愛相談をしてきたくらいだ。神崎には頼っていないように見える。
「まあせっかくだし混ざってけよ。良いだろみんな」
「話しましょ瑠翔くん」
僕は思っていた計画とは違った方向だが、結局2軍の輪に入ることができた。
このグループは僕抜きで4人いる。
まずは神崎流星。そして白河梨央奈さん。この2人は今のところ普通に話すことができている。
しかし、あと2人がどっちも女子というのが難しいところだ。その2人とも上手くやっていくためには仲良くなっておかなければならない。
だが、もう2人は結構キャラの濃い女子だ。受け溶けられるか少し心配ではある。
既に廊下でもう——
「キャハハハハ!」
「イヤーーーー!」
と叫んでいる。
残りの2人はこの学校でも問題児と言われている女子たちなのである。本当に心配になってきた。
キャラの濃い人はまだ経験していない。姫乃さんや井早坂さん、天堂だって遊んでみて普通で優しい人だった。
強いて言うなら巫さんが少しキャラの変わっている人だろうか。ただツッコミが大好きなだけだが少し変わっている。
それでも廊下で響き渡る声の主にいは敵わない。それに問題児と言われているもんだから僕のことをイジメてくるかもしれない。
イジメられたら天堂に頼るのもありだが、それじゃあ成長できない。天堂に頼ったところであの2人はいつもあんなんと言われて無視られるかもしれないし。
そして——
「あんたが如月か!」
「おっす〜!」
問題児たちが僕に声をかけてきた。
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