4話 明るい曇り空

 深夜2時。

 この寒いのに、目が覚めてしまった。

 昼間の食堂での出来事がリフレインする。


 ハルカが新入生のときに亡くなっていたこと。

 困惑し嘆くナオコ、ずっと堪えていたアキラ、哀しげなシノブ…。


 夜に詳しく話すと言っていたから、もう話は終わっているだろうか…。


 何となく、目が冴えてしまって、ユウは外に出た。


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 同級生が自殺した。

 会ったことのない彼。

 同情なのか、悲しいのか。それとも...。


 自分と同じ年齢の人が、自分から死を選ぶほどの苦痛を感じていたということ。

 自分はそれほどの悩みを抱えたことはあったのだろうか…。


 頭の中がぐるぐるぐるぐるする。


 パラパラと雨が傘を跳ねる音が軽く響く。

 空は雲に覆われて、夜にもかかわらず、ほんのり明るい。

 少し休もうと、立ち寄った公園の東屋には、先客がいた。


「あーら。ツユくんじゃん」

「ホンマや。夜間徘徊とは不良だー。

 二次会参加する?」


 シノブとアキラが缶飲料を片手に手招きする。


「他のみんなは?」


「門限あるし、帰った。

 あたしらは一人暮らしやし…」


「ごめん、ちょっとぬるくなってるけど…」

 と、コンビニの袋からホットのココアを取り出したアキラの隣に腰掛けると、シノブが大きな溜息とともに、頭を抱えた。


「はぁー、暗い話やけど、聴いてくれる?」


 ふと見ると、彼女の手に短くなったタバコが挟まれていた。

 煙はフラフラと立ち上り、消えていく。


「やっぱりあたしら納得いってへんのよ。

 ハルカが自殺した理由」


 長いままの灰がポトリと落ちた。

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