第11話 授業
「せっかくだ〈上限者〉の〈権能〉について戦いながら教えてやる。仮にもこれは授業なんだからな」
黒条先生が〈
「授業なんていい! 今はただ戦いたい!」
暴走気味のジン。いや気味ではなく熱に浮かされ暴走している。それを無視して黒条先生は告げる。
「いいか〈権能〉には二種類ある〈
「次刃多重装填!」
虚空に浮かぶ大量の刃。だが不可視。見えざる刃に囲まれてなお、黒条先生は飄々としている。
「〈
〈
「〈
〈
「〈
●
一瞬、世界が白と黒に反転し――
・ガキィン!
そこでジンの〈権能〉は弾かれた。
「――っ!?」
「驚いたか? 言ったろ、〈
「じゃあ、さっき俺がクラウディアに勝てたのは――?」
「引力と斥力、その相性の問題だ。どっちが強いってわけじゃねぇ。時と場合、技の質なんかによって立場を入れ替える陰と陽。それが〈権能〉だ」
ジンはそこで諦めない。〈
「次刃多重装填――射出!」
「狙いはいいが、こっちだって止まったままじゃあないんだぜ?」
網目模様が蠢いて変わっていく。弾かれる方向へと変化していく。しかし一本でも刃が通ればいい。そうすれば――
キィンと甲高い音が第二演習場に響き渡る。
「おっと、一本足元に通しちまったか……ってまさか!?」
「〈
刃の元へと柄ごと瞬間移動するこの技は〈
「〈
「はっ! まさかお前!」
「使ってもいいよな祖父ちゃん!」
構えを取る、右手を前に、左手を後ろに、右足を後ろに、左足を前に。力を込めて拳を握る。そして床を踏みしめる。
「穿て――
正拳突き、であった。しかし今回は〈
「〈
なんとか〈
「絡め捕れ!
鞭を掴み取り、捻る。それに釣られ態勢を崩しかける黒条先生、そこをなんとか〈
柔指を逸らされたジンは、
「
前回は〈
「――ぐっ!?」
〈
「
ブチィンッ! という弾けるような音がした。〈
そしてそのままジンは黒条先生の首元に〈
「
「…………あーはいはいまいりましたまいりましたよっと」
両手を上げ降参のポーズを取る黒条先生。
こうして二度に渡る対〈
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