第6話 スペツナズ・ナイフ
ジンが〈
「先生これって!」
「ああ、良かったな、これでお前も〈
五条先生の言葉を受けて喜びのガッツポーズを取る。
「やった! それで俺の〈
「リーチが伸ばせる」
「……へ?」
「だから、リーチが伸ばせる」
「え、嘘ですよね。だって宝玉先輩は〈
「あー、そういう固有の〈技能〉について俺から言える事はない。というかぶっちゃけわからん」
「はあ!?」
「だって当たり前だろ、十人十色、ニンゲンそれぞれに固有の武器があるんだ。それをいちいちどんな能力があるかなんて把握出来るかっての」
「嘘でしょう……ここまでやってリーチを伸ばせるだけ? っていうかナイフでリーチを伸ばすってどうやるんですか!? 如意棒みたいに伸び縮みするとでも!?」
「それに関しては一家言ある。お前、スペツナズ・ナイフって知ってるか?」
「すぺつな……?」
「ソ連の特殊任務部隊が使ってたって言う。射出式のナイフだ」
「ナイフを射出?」
「ああそうだ、バネ仕掛けでな。ボタン押せば飛び出す仕組みだ。それをイメージしろ」
「イメージですか……? それだけで変わるんですか?」
コホンと咳を吐く黒条先生。
「いいか? 俺達〈
「さっきから思ってたんですけど、その〈
「ダサいとはなんだダサいとは、偉大なる初代〈
「はあ……」
「あーまあいい話を戻すぞ、お前の〈
「……やってはみますけど、えっとでもボタンなんてないですよ?」
「だからイメージしろ。それで生やせ」
「生やせ!?」
「いいから早くしろ」
「ああもう! 分かりましたよ! イメージイメージ……ボタン……射出……」
〈
「ええいままよ!」
ジンはカチッという音を確かに聞いた。
射出された刃は虚空を切り裂き飛んで行く。飛んで行った先の壁を突き破り、そこに居た〈
「……これがスペツナズ・ナイフ」
「本物はこんなに威力無いけどな。これぞ〈
「!? なんですかそれ!?」
「落ち着け、いいか子の言葉をよく覚えとけ? アイツと戦う時は宝玉本人じゃなく不死鳥を斬れ。いいかもう一度言うぞ? 不死鳥を斬るんだ」
「……不死鳥を斬る?」
「そうだ、意味はおのずと分かるはずだ。アイツとの戦いの中でな。これ以上は俺は一生徒に肩入れしない。まあもう充分し過ぎたくらいだがな」
「……ありがとうございました」
「いいって事よ。
「はい!」
そうして二人は校舎へと帰って行くのだった。
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